自民党幹事長で全国旅行業協会会長の二階俊博氏を会長とする政策集団「志帥(しすい)会」(自民党二階派)は9月7、8日、福島県内で夏期研修会を開いた。地方創生、国際情勢などをテーマに7氏の講演を聞いたほか、同県の復興状況を確認する東日本大震災被災地などの現地視察を行った。所属議員、後援会関係者ら約500人が参加した。
同県郡山市のホテルハマツで行った研修会では、高知県の尾﨑正直知事が「地方創生と国土強靭(きょうじん)化」と題して講演。人口減少による県内経済の低迷から脱出を目指す同県の取り組みを述べた。
高知県は1990年からと、人口減が47都道府県の中で最も早く起き、県内経済も人口減とともに縮小。人口は現在(2015年)の72万8千人から55万7千人(2060年)へと、今後も大きな減少が見込まれている。
同県は県民、特に若者の定着、増加を図る施策として、「『地産外商』による雇用創出」を推進。「ないものねだりをせず、自らの強みを生かす」「食、自然、歴史、人など、県の強みに付加価値を付ける」ことで観光や食品産業の振興を図り、雇用の拡大を図る狙いという。
尾﨑知事は「国の地方創生の政策により、わが県の官民協働の事業に参画する企業が増え、経済成長率も県と国で大きな差がなくなってきた」と指摘。ただ、「若者の人口流出は依然減っていない。県内経済の力をもう一段、強くする必要がある」と、「地産外商」の取り組みをさらに進める考えを述べた。
尾﨑知事は南海トラフ地震の発生が危惧される中、二階氏が提唱する国土強靭化の政策で「避難タワー」など津波からの避難設備が県内にほぼ整備された現状を述べ、今後は設備などを利用した避難訓練を徹底することが重要と述べた。
研修会の冒頭あいさつする二階会長