千葉県成田市で開催 事業者と意見交換
自民党観光立国調査会(林幹雄会長)は15日、千葉県成田市内のホテルで「地方観光シンポジウム」を開いた。新型コロナウイルスの影響で厳しい経営環境にある観光事業者と意見交換し、政策に反映させるのが狙い。初めての試みで、今後、中部や九州などで開催する予定だ。
シンポジウムに先立ち、成田国際空港会社の田村明比古社長が事業環境を説明し、コロナに対する成田空港の検疫体制を視察した。
成田空港には2日、海外に渡航する人が迅速にウイルス検査を受けられる「PCRセンター」が国内の空港で初めて開設された。田村社長は「事前予約なしでも検査を受けることが可能で、受付から最短2時間で陰性証明書を発行できる」と強調した。
シンポジウムには調査会の林会長をはじめ、福井てる事務局長、伊藤忠彦事務局長代理のほか、二階俊博最高顧問(党幹事長)も顔を見せた。小泉一成成田市長、日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)の幹部、地元観光関係者ら約60人が出席。
冒頭あいさつした林会長は「観光こそ成長戦略の柱、地方創生の切り札として力を入れ、順調に事が進んできたが、コロナ禍で(政府)目標が打ち砕かれてしまった。オリンピック・パラリンピックも延期を余儀なくされた」と指摘。
その上で、「コロナ対策と同時に、経済対策をしっかり行うための予算確保のため、観光関係者と連携し、主張すべきは主張、取るべきものは取るという姿勢で臨む」と述べた。
二階氏は「観光関係者がコロナ禍に負けないでがんばれる状態を政治の場で作っていく。皆さんの奮起を期待する」と呼び掛けた。
地方観光の現状を旅行業関係者が説明。駒井輝男ANTA副会長は、(1)Go Toトラベル事業の延長(2)21年度における全国各地への旅行需要喚起のための予算措置―などを求めた。津金貴浩JATA千葉県地区委員長は「Go Toで個人旅行は回復しているが、団体の動きが鈍い。団体旅行の需要を喚起するようなキャンペーン、Go Toイート歓迎会キャンペーンといった手立てを講じてほしい」と主張。
また、桧垣克己自民党千葉県旅行振興支部長はレジャー目的の交流も「準ビジネストラック」と位置づけ、管理型旅行(企画旅行主催者が参加者の旅行中・後の行動履歴を管理把握できるエスコート型旅行)により出入国を再開するのが望ましいとして、14の国・地域について来年1月から準ビジネストラックとして観光目的での出入国許可を求めた。
あいさつする林会長(右)と二階氏