京都府舞鶴市は8日、シベリア抑留や引き揚げに関する資料のユネスコ世界記憶遺産登録に向けた取り組みや、東京で初めて展開する観光誘客事業「来てーな舞鶴2014キャンペーン」について東京都中央区で説明会を行った。12月6、7日に東京タワーで観光物産イベントも初開催し、舞鶴の食の魅力をアピールする。
同市は市営の舞鶴引揚館記念館が収蔵するシベリア抑留や引き揚げに関する資料570点を、引き揚げ事業開始70年目にあたる2015年に、世界記憶遺産に登録しようと申請を行っている。
今後は国内選定の評価ポイントとなった、舞鶴引揚記念館の改装工事を行い、来年10月に再オープンする。
会見に出席した多々見良三市長は「戦後70年近く経ち、引き揚げの歴史も忘れられつつある。70年の節目となる来年にユネスコ世界記憶遺産の登録を実現させる」と意気込みを語った。
新たな展示室では検索システムの導入や地図のデジタル化を行うほか、引き揚げの桟橋を再現した体験展示やドラマ展示コーナーも設置する。平和学習の場として利用できるセミナールームの増築も予定されている。
誘客キャンペーンについては、東京の飲食店と提携して、舞鶴で収穫、水揚げされた食材を使ったオリジナルメニューや地酒を提供するフェアを開催する予定。また、舞鶴の歴史遺産観光のあり方を考える公開講座「海の京都『舞鶴学』講座」を、11月15日に東洋大学白山キャンパスで開催する。
12月6、7日に開催する東京タワーでの食のイベントとともに、東京タワーフットタウン3階のギャラリーでは17日まで、世界記憶遺産登録候補資料の抑留体験画を中心とした特別企画展示を行う。体験会としてシベリア抑留中に使用していた防寒着を実際に着用するイベントなども行う。
多々見市長