日本観光協会はこのほど、今年度の「花の観光地づくり大賞」の受賞団体を発表した。大賞には北海道美瑛町の「四季彩の丘」、宮崎県美郷町の「椎野あじさい組合」が選ばれた。表彰式は来年1月18日、静岡県三島市で開かれる「着地から考えるニューツーリズムセミナー」で行う。
四季彩の丘は広さ7ヘクタールで、花畑には4〜10月の間、30種類の花が咲く。花の種類や植え方にも変化を持たせ、毎年違った風景を見てもらうよう配慮していることから、海外も含め道内外から年間35万人の観光客が訪れている。
「入場料をとらず物販販売のみの運営であることや、海外向けポスターは数カ国語対応で好評なことなどを評価した」と日観協。
椎野あじさい組合は全長7ヘクタール、約3万本のあじさいが咲く「あじさいロード」を運営。88年に完成した観光施設により、地区内を通るようになった観光客の目を楽しませようと数人の住民があじさいを植栽したのが始まり。今では花の最盛期の1カ月間で、8戸14人の小さな集落に1万人の観光客が訪れるようになったという。
集客への努力、棚田にあじさいを植えることで土地の魅力が生かされている──ことなどが評価された。
このほか、フラワーツーリズム賞には茨城県の下妻市、埼玉県幸手市のNPO法人幸手権現堂桜堤保存会、奈良県城殿町の城殿霜月会、広島県北広島町のカキツバタの里づくり実行委員会の4団体が選ばれた。
年間35万人が訪れる四季彩の丘