茨城交通などは、「中型自動運転バスによる実証実験」を実施する。
ひたちBRT※[3]は2019年3月に第二期の延伸工事を完了し、道の駅日立おさかなセンターとJR常磐線常陸多賀駅の間を結ぶ専用道区間(約6km)を含む路線長が約9kmの路線になっており、年間約53万人が利用しています。本年度実証実験では、前回の約3.2kmから大幅に延伸した新たな路線にて、通常の路線バスのダイヤに追加して自動運転バスのダイヤを設定し運行します。一般の利用者が広く利用する環境を作ることで、特別な移動手段ではなく通常の移動手段としてより多くの利用者に乗車してもらい、2022年以降の本格的な商用運行に向けた課題抽出を進めることを目指します。
図1.(左)2020年度の走行予定ルート/(右)2018年度の実証実験時の様子
●実証実験のポイント
本格商用実装に向けた取組として、高い安全性と多様な環境下で安定した運行を実現するため、次の2点の技術を導入します。
① 路側センサーによる自動運転車両との協調
専用道区間や一般道区間において、自動運転車両から見通しの悪い場所に、各種光学センサーや電波センサーを活用した路側センサーを敷設し、自動運転車両と通信することで、自動運転車両の死角を減らします。これら路側センサーと前回実証にて検証した信号協調システムが連携することで、自動運転バスが安全に走行できる走行環境の構築とスムーズな定時走行を目指します。これら路側センサーの設置は、住友電工、PSSI、小糸製作所、コイト電工の協力のもと実施します。
② 遠隔監視装置
上記路側センサーや信号協調システムとの連携を含めた自動運転バスの円滑な運行を支援するためKDDI、KDDI総合研究所から遠隔監視装置と遠隔に情報を送信するための通信環境を提供します。遠隔監視装置では、自動運転バスの走行状況をカメラ映像や各種状態情報で確認することに加えて、車外に設置する路側センサーの稼働状態もモニタリングすることで、将来、自動運転バスが運行する際の運行管理の在り方についても検証を進めます。
なお、本年度の本格実証開始に向けた準備状況等は、みちのりグループで取り組む自動運転プロジェクトのWEBサイト(http://autonomousbus-project.com/ )にて適宜更新していきます。
[1] 高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業:専用空間における自動走行などを活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証
[2] 本事業の詳細については以下をご確認ください。https://www.aist.go.jp/aist_j/news/au20180827.html
[3] Bus Rapid Transitの略。日立電鉄の跡地をバス専用線として利用。