草津町、手洗い湯整備へ
群馬県草津町によると、草津温泉の「湯畑」の源泉が新型コロナウイルスの感染力を減らす効果があることが、群馬大発のベンチャー企業の調査研究で分かった。これを受け、町は観光客の集まる場所に温泉水で手指を洗える「手洗い湯」を整備、感染防止に活用してもらう方針だ。
町は、強酸性で皮膚病に効くとされる草津の湯について、新型コロナウイルスの不活性化に役立つのではないかと考え、昨年、ベンチャー企業「グッドアイ」(桐生市)に調査研究を依頼していた。
町によると、同社は水道水と湯畑から採取した温泉水に、新型コロナウイルスをそれぞれ細胞に振りかけて感染力の違いを比べた。その結果、水道水をかけた細胞はウイルスに感染したが、温泉水をかけた細胞はほとんど感染することがなく、不活性化率が90%以上を示したことが分かった。
町では湯畑以外の源泉でも同様の効果が得られるか、引き続き調査を進める予定だが、新型コロナウイルスの感染防止に役立ててもらおうと新たに手洗い湯を整備する。
「湯畑周辺に数カ所の手洗い湯を設ける。2020年度内にはホテル一井前に1カ所整備し、その他については適切な湯量、および湯温を含めた計画を立て、21年度に整備する」(企画創造課)。
草津の湯に新たな効能が加わる可能性があり、コロナ禍に苦しむ地元観光業界にとって朗報といえそうだ。
町は「手洗い湯」の整備を進めている(ホテル一井前)