草津温泉観光協会(群馬県草津町)の山本剛史会長(㐂びの宿 高松)ら5人が6日、東京都台東区の観光経済新聞社を訪れ、積田朋子社長と懇談した。同町のスローガン「立ち止まることなく、進化し続けるまちづくり」のもと、再開発を経て昨年6月に新規開業した「裏草津・地蔵」に続き、アフターコロナを見据えた誘客促進施策などを説明した。
山本会長は今春以降の入り込みや宿泊実績について、「5、6月は比較的好調だったが、新型コロナウイルス感染の拡大、それに伴う群馬県独自の宿泊割引事業の実施の可否などの不確定要素により、勢いがやや鈍化した。8月はコロナ禍前の水準までとはいえないが、各施設はそれなりのお客さまに来ていただいている印象だ」と話した。その一方で、「個人のお客さまが増えたことなどもあり、宴会や土産関連の付帯売り上げが伸びないのが悩みの一つだ」と明かした。
年間入り込み客数400万人を掲げる草津温泉は、黒岩信忠町長の先導で観光資源の整備に注力している。「現在は日本一のっぽなブランコ『スカイウィング』を設置するなど、天狗山の整備を進めている。春から秋までのグリーンシーズンの需要獲得を目指してゴンドラの設置なども計画しており、スキーをしないお客さまでも楽しめる山になるよう施策を進めている」と山本会長。スキーや星空観察など、自然を生かした既存のアクティビティ提供にも引き続き力を注ぐ。
温泉街の整備については、観光庁の既存観光拠点の再生・高付加価値化事業の採択を受けハード整備を進めるなどして、同温泉地の強みである「まち歩き」のさらなる魅力向上を図っている。山本会長は「若年層への訴求も推進し、最近は湯畑の周辺を『マイ浴衣』姿で歩く若いお客さまを多く見かけるようになった」と語った。
町内の労働人口の減少に歯止めを掛け、施設側の顧客受け入れ態勢を強化することを主な目的とし、観光人材育成を推進する方針も併せて示した。
同協会の小林由美副会長(草津スカイランドホテル)は「通訳業務以外でも、外国人労働者が館内業務において重要な役割を果たしている。彼ら、彼女たちが接客業務など多角的に携われるよう許認可をお願いしたい」と訴えた。
山本会長も「草津は都市部から離れているので、人材確保が本当に難しい。そんな中、外国人労働者の活躍は各施設にとって必須。能力の高い人も多い」と述べ、黒岩裕喜男副会長(望雲)は「外国人労働者も含め、優秀な人材確保のために待遇などをしっかり整える必要がある」と語った。
12月に発表される観光経済新聞社主催「第36回にっぽんの温泉100選」で20年連続1位がかかる草津温泉。山本会長は「他の温泉地さんも魅力的なところがたくさんある。うちも負けないように頑張りたい」と意気込んだ。
草津温泉の最新の観光情報を発信(中央が
山本観光協会会長)