街角調査、2ヶ月連続で改善


 内閣府が9日発表した2月の「景気ウォッチャー調査」によると、街角の景況感を示す現状判断指数は、前月と比べ2.3ポイント上昇し、19.4となった。2ヶ月連続の改善。内閣府は「景気の現状は極めて厳しいものの、このところ悪化のテンポが緩くなっている」とし、基調判断を上方修正した。

 観光関係者の景気の現状に対する主な判断は次の通り。

【北海道地区】
 宿泊客が減少している。インターネット利用の個人客と外国人客はまずまずだが、天候不順の影響もあり、道外からの団体客が大きく落ち込んでいる(観光型ホテル経営者)▽海外旅行は円高の影響で若干回復傾向にあるが、低単価のため売り上げは前年をやや下回っている。国内旅行は添乗員付きの低単価商品は前年を20%上回るなど順調だが、売り上げは相当悪化している(旅行代理店従業員)▽円高及び不況の影響が鮮明。前年11月以降、海外客が激減しており、国内客も減少。今月の利用客数は3ヶ月前の63.6%であり、前年の91.4%まで減少している(観光名所職員)

【東北地区】
 土曜日のみ満員となっているが、それ以外の入込数はこれまで経験がないほど減少している。温泉街全体の入込数も同様に減少(観光型ホテル経営者)▽12月は仙台・宮城DCの効果により売り上げが前年並みとなったが、その後大幅に落ち込み、2月は前年比で15%の減少となっている(観光型旅館経営者)

【北関東】
 海外旅行の需要では燃油の価格が低下しており、4月以降の海外旅行の申し込みが前年に比べて増えてきている(旅行代理店従業員)▽1月の売り上げは新年会の需要で多少伸びたものの、2月に入ってからは特に地元客の来館頻度が下がっている(観光型ホテル営業担当)▽業績の悪くない企業でも不安感からか、慰安旅行を控える傾向にある。3月末決算の会社は終わるまで動かない(旅行代理店従業員)

【南関東】
 春からの企画の問い合わせ、申し込みが増えている(旅行代理店営業担当)▽海外からの観光客が激減、近隣大型施設のイベント縮小、一般法人の宴会・集会の激減ということで、まともに影響を受けている(都市型ホテル経営者)

【東海】
 今年は積雪がないた、温泉施設への来場者数は順調に推移している。祭りの人出も過去最高。ただし、食事などの利用はやや節約されている(テーマパーク職員)

【北陸】
 売り上げ、宿泊人数、宿泊単価は前月から回復しているものの、前年割れ傾向が続いている(観光型旅館スタッフ)▽出張や旅行の見直しが一段と厳しくなっている。元気があるのは料金の安さが売り物の旅館だけ(旅行代理店従業員)

【近畿】
 予約の動きが非常に遅いほか、低料金の宿泊施設への入込客の方が多くなっている(観光型旅館団体役員)▽卒業旅行の申し込みが期待したほど伸びない。内定取り消しなどのニュースが学生消費にも影響を及ぼしている。オフシーズンに動く客層が今年は全く動かない(旅行代理店広報担当)

【中国】
 この時期恒例となっている地域のイベントに伴うランチフェアは価格の手ごろ感もあって好調。半面、高価格なレストランは売り上げ、来客数ともに減っている(観光型ホテル経理総務担当)

【四国】
 宴会などは極端に減ってはいないが、客数、宿泊数が減った。地域全体で見ると1月はある程度良かったが、2月の実績、3〜4月の予約状況を見てもかなり宿泊客が減っている(観光型旅館経営者)

【九州】
 競合ホテルが料金を下げており、価格破壊の状況にある(観光型ホテル営業担当)▽国内は企業出張が減り、航空券、新幹線・特急券を中心に大きく落ち込んでいる(旅行代理店従業員)

【沖縄】
 集客に苦戦。取引先の倒産や縮小などで出張旅費などの抑制が見られる(旅行代理店社長)

 
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