会津トラベルサービス(福島県会津若松市)は7日、「絶景×美食ファムツアー 裏磐梯×曽原湖」を実施した。同社は観光庁の「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業」の採択を受けて同ツアーを造成。有名観光地に劣らぬ「裏磐梯でしか体験できない魅力」を発信すると同時に、風評被害に苦しむ地元食材の安全性、味のレベルの高さをアピールする。
「観光地ではない福島県内の『魅力ある場所』を探し出し、1日限りのアウトドアレストランを青空のもとにオープンする」が今回のファムツアーのコンセプト。各旅行会社やバス会社からの参加者を乗せたバスは、集合場所のJR会津若松駅を出発し、猪苗代湖や紅葉が色付き始めた木々を横に見ながら福島県北塩原村エリアへと入り、ゲストハウスに到着した。
トレッキングでは、ガイド先導のもとで磐梯朝日国立公園内のコースを30分ほどかけてウォーキング。「自然の植生や木々が織りなす景色を楽しみながら、適度に体を動かせるコースになっている」と同社。小高い丘を登り中瀬沼を眼下に眺める展望台に到着すると、参加者からは歓声が上がった。
紅茶講座では、郡山市内のカフェ「Cafe LOVERS LEAP(カフェ ラバーズリープ)」の國分智惠さんが、地元にちなんだ紅茶や菓子などを参加者に振る舞った。國分さんは、紅茶やそれにまつわる歴史などに加え、自宅でできるおいしい紅茶の作り方も披露。参加者は入れたての紅茶を片手に、國分さんの話にじっくりと耳を傾けた。
昼食では「金山町ヒメマスのポアレと会津野菜のサラダ仕立て 青柚子味噌(みそ)ソース」「会津野菜と南郷トマトと請戸の鮮魚ブイヤベース」など、地元産の食材をふんだんに使ったフレンチのコースを提供。「喜多方シードル」や日本酒「田村」、米焼酎「ねっか」など福島にゆかりの深いアルコール飲料も多数用意し、曽原湖畔で福島の食を大いに感じられるひとときを演出した。
会津乗合自動車の林あゆ美さんは「地元の資源の磨き上げと同時に、東日本大震災、2年ほど前に発生した福島県沖地震の風評被害払しょくも目指している。お食事を食べていただいて、おいしさと食の安全をアピールしたい」と、ツアーに懸ける思いを述べた。
会津トラベルサービスは9月29日にも、同趣旨のツアーを「南会津・大内宿×金子牧場」の表題のもと、同県下郷町エリアで実施。高原牧場での牛舎見学やバターづくり体験を用意し、牛乳や乳製品を生かした料理を提供した。
同社は2回のファムツアーを経て、参加者からのアンケート結果を各商品に反映させ同ツアーを販売している。裏磐梯×曽原湖ツアーは20日、南会津・大内宿×金子牧場ツアーは28日に実施予定。料金はいずれも1人1万5千円で各ツアー15人募集。参加者から好評が多く寄せられたファムツアー、これから実施予定の同ツアー参加者からの感想などをもとに、「現地でしか得られない魅力」の掘り起こしと地元観光資源の磨き上げをさらに推進する。
中瀬沼を眼下に望む展望台
湖畔での紅茶講座
昼食会場