政府が経済対策などを盛り込んだ2009年度補正予算案に、観光庁分として19億2400万円が計上された。観光庁当初予算の各種施策に充てる事業費の約半分に相当する大型の補正予算。中国への個人観光査証(ビザ)の発給開始に合わせた集中プロモーションなどに予算を付けた。
訪日中国人に対する個人観光ビザ制度創設に伴うプロモーションには3億9700万円。ビザ発給には個人年収25万元以上という要件を設けていることから、富裕層に集中して個人旅行の魅力をPRする。
個人観光ビザは北京、上海、広州の居住者を対象に今年7月から発給が始まるため、観光庁では、事前に誘客宣伝を強化し、訪日につなげたい考え。また、発給対象の広州市には、日本政府観光局の海外宣伝事務所がないため、臨時のプロモーション拠点の整備に予算を充てる予定。
インバウンド全般としては、「ダイレクト・プロモーションのための基盤整備」として9億2700万円を計上した。日本に関心を持つ層の囲い込みに向けたプロモーションを重点12市場で展開するほか、消費者応募型の懸賞付きキャンペーンの実施などを通じて、マーケティングなどに活用できる消費者データベースを整備する。
このほか、交通機関や観光地の案内表示の多言語化に向けたモデル事業を実施するために5億5千万円。観光産業の新たなビジネスモデルづくりを支援するイノベーション促進事業には、当初予算の1700万円に加え、5千万円を追加した。