上総牛久駅で運用 2年間の実証実験スタート
千葉県市原市(小出譲治市長)と出光興産(東京都千代田区)は4月30日、地域創生を目指す包括連携協定を締結した。5月1日から超小型電気自動車(EV)によるカーシェアリングサービスの実証実験を開始、周辺観光施設などへの2次交通としての役割を果たす。
同日、小出市長と出光興産モビリティ戦略室の小林総一室長らが出席し、小湊鉄道の上総牛久駅前で締結式と出発式が行われた。小出市長は「協定により、南市原の玄関口である牛久駅からの周辺観光施設へのアクセスが強化され、市の観光資源がより身近なものとなり、『世界に一番近いSATOYAMA』ブランドのさらなる魅力向上につながる」と期待を寄せた。
協定は、観光振興による地域活性化、地球温暖化や防災対策の推進―などを軸に、相互に連携、協力する。カーシェアはその一環として進める。
上総牛久駅を拠点に超小型EV(定員2人)2台を運用する。期間は2022年度までの2年間。車両はタジマEVが提供する「ジャイアン」。県内では館山・南房総でカーシェアサービスが実施されている。
同駅はトロッコ列車の発着点で、周辺には養老渓谷など観光スポットも多く、観光客の利用も多い。また、ダイヤ改正で五井―上総牛久駅間の列車運行本数が増強されるため、上総牛久駅からの2次交通の確保が重要になると判断、同駅への導入を決めた
超小型EVは位置情報システムを搭載し、利用者の属性や走行ルート、滞在場所などのデータを把握。アンケート調査も行い、新たなツアー造成など今後の観光施策に活用する方針だ。
利用料金は15分250円、4時間3千円、8時間5千円。利用にはパソコンやスマホなどから会員登録する必要がある。
テープカットする(左から)石川晋平・小湊鉄道社長、小林室長、小出市長、大岩綱俊・牛久商店会会長