宮城県は9日、観光地づくりのリーダーとして活躍する、観光産業事業者ら21人を「みやぎ観光コンシェルジュ(旅先案内人)」として選定、嘱託式を開いた。同県では初めての試み。各地域のリーダーとなりうる人をコンシェルジュとして選び、観光振興事業に積極的に関わってもらうことで、まちづくりなどと絡めた観光の推進につなげたい考えだ。
同県では07年度に選定要綱の策定や人選を実施。具体的な事業は、今年度から2010年度までの3カ年で展開する。
今回選んだ21人は、仙台、石巻、気仙沼など7管内からそれぞれ推薦を受けた。旅館の経営者や観光協会の職員らが主で、「宿泊分野」「食べ物分野」「建造物・景観分野」など、選定委員会が定めた13分野のうち5分野以上に精通しているほか、おもてなし向上などに日頃から意欲的に取り組んでいる、「地域のリーダーとなる人」(同県観光課)を選んだ。
今年度は、コンシェルジュに専用のバッジや名刺などを配布し、コンシェルジュそのものの浸透を図る。併せて、コンシェルジュおすすめの観光スポットなどを観光課のホームページ(HP)やガイドブックなどでPRしたり、各観光連盟が実施するおもてなし研修会に、コンシェルジュを講師として派遣する。コンシェルジュ自身が観光産業の最新情報などを学ぶ、全体セミナーなども開く予定だ。
来年度以降の具体的な事業内容は未定だが、同県観光課の嘉藤美恵氏は、「全体セミナーなどを契機に、コンシェルジュ同士の連携が強まり、各地域を県全体のPR力やホスピタリティ力の向上に結びついてくれれば」と期待感を示した。
選ばれたコンシェルジュ