観光庁、放射能不安払拭へ外国語で小冊子作成


 観光庁は10日、原発事故の風評被害対策として、外国人に放射線や放射能に関する正確な情報を知ってもらおうと、専門家の監修による小冊子を作成した。日本の都市と世界各都市との空間線量率の比較、食品に対する放射性物質の規制値などを解説。不安を払しょくし、訪日旅行を検討してもらえるような内容にまとめている。

 タイトルは「安心して日本を旅行していただくために」。英語、韓国語、中国語簡体字・繁体字、フランス語、ドイツ語の各版を作成。ページ数は12ページ。日本政府観光局(JNTO)の海外事務所、在外公館、海外のイベント会場などで配布する。

 福島第1原発からの距離を記載した日本地図を掲載。空間線量率の比較では札幌、仙台、東京、京都、福岡の各都市の数値が、ニューヨークやロンドン、ベルリン、香港、ソウルなどの数値より低いことなどを紹介している。

 食品に対する放射性物質の規制値では、日本が今年4月から採用している放射性セシウムの規制値が世界的に厳しい基準であると説明。主な食品の規制値は日本が1キログラム当たり100ベクレルなのに対し、アメリカは1200ベクレル、EU(欧州連合)は500ベクレル、韓国は370ベクレルなど。食品や飲料水の検査体制も解説している。

 小冊子の編集、監修には、東京大学環境安全本部の飯本武志准教授、東京工業大学グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院の大場恭子特任准教授、放射線医学総合研究所の島田義也・発達期被ばく影響研究プログラムリーダー、科学ジャーナリストの中村浩美氏が参加した。

 小冊子のデータは観光庁、JNTOのホームページから、日本語版を含めて閲覧、ダウンロードができるようになっている。

 
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