観光庁、旅行業の処分基準を改定、重大違反に厳しく対応


 観光庁は、ツアー登山などの事故を受けて、旅行業法に違反した旅行業に対する処分の基準を改定する。違反を繰り返した場合や重大な違反行為があった場合、行政指導の実施状況によらず、ただちに処分を科し、業務停止の期間も規定の1.5倍まで重くできるようにする。ゴールデンウイークの旅行シーズン前の4月下旬に施行を予定している。

 改定する基準は、「旅行業法第19条第1項に基づく旅行業者の不利益処分の基準について」の通達に定められている。第19条第1項では、違反に対し期間を定めて業務の全部もしくは一部の停止を命じ、または登録を取り消すことができると定めている。

 基準の改定によってただちに処分を科す、または業務停止の期間を重くするケースは、(1)過去の一定期間内に業務停止処分を受けていた場合(2)旅行者が死亡するなどの被害を出す、またはその被害が見込まれるなどの重大な違反行為を行った場合(3)複数の違反行為を行った場合—。業務停止の期間は規定の1.5倍に重くできることから、業務停止期間の規定が18日間であれば、最大で27日間となる。

 また、旅行の安全確保に重要な旅程管理の不実施の違反については、業務停止の期間を現行の6日間から18日間に重くする。

 観光庁では3日、基準の改定に向けて、一般や業界からの意見を公募するパブリックコメントをウェブサイトで開始。意見の受け付けは25日まで。

 第2、3種旅行業などを所管する都道府県も、観光庁の対応に沿って基準を改定するとみられる。

 
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