観光庁、日本版DMOの候補法人の登録制度創設


 欧米の先進事例などを踏まえ、各地域に構築が期待される日本版DMO(観光地域マネジメント・マーケティング組織)。観光庁は、日本版DMOの確立を支援するため、候補法人の登録制度を創設した。18日に公表した登録要領を基に、近く第1次の募集をスタートする。登録法人に対しては、地方創生の新型交付金をはじめ、関係省庁と連携した重点的な支援を行う方針。

 観光庁は、これまでの観光地域づくりについて、(1)観光以外の産業との連携、地域住民との意識共有(2)観光データの収集、分析(3)ブランディングやプロモーションでの民間的手法の導入—のいずれもが不十分と問題視。地域の多様な関係者を巻き込みながら、科学的な手法の下に戦略的に観光地域づくりを担うDMOの構築の必要性を指摘する。

 候補法人登録制度では、既存、新規の法人を問わず、地域でDMOの役割、機能を担おうとする法人が、DMO形成・確立計画を作成し、地方公共団体との連名で提出する。登録対象の法人は、申請時点で発足していなくても構想段階で申請できる。

 登録の区分は、区域の規模などによって分類。複数の都道府県にまたがった区域を対象とする「広域連携DMO」、複数の市町村にまたがった区域を対象とする「地域連携DMO」、単独の市町村を区域とする「地域DMO」の3区分。

 登録の要件は五つ。(1)DMOを中心として観光地域づくりを行うことに関する多様な関係者の合意形成(2)データ収集、戦略策定、KPI(重要業績評価指標)設定、PDCAサイクル導入の実施(3)関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整など(4)法人格、専門人材などを備えた組織(5)収益事業や法定外目的税、分担金などの安定的な運営資金の確保。いずれも計画段階で登録できる。

 登録法人に対しては、観光庁をはじめ関係省庁で構成する「『日本版DMO』を核とする観光地域づくりに対する関係省庁連携支援チーム」を通じて重点的な支援を行う。登録法人は、政府のまち・ひと・しごと創生本部が運用する新型交付金の支援対象にもなり得るという。

 申請された各地域のDMO形成・確立計画を観光庁で審査して登録。登録された法人は、KPI、PDCAサイクルを導入し、最低年1回、取り組みに関する自己評価を実施し、その結果を観光庁に報告する必要がある。

 観光庁は、候補法人登録制度やDMOのあり方などに関して、各地域で説明会を行うほか、来年1〜2月には各地域でシンポジウムを開催する予定。海外のDMOに関する先進事例の調査も進めており、今年度末をめどに報告書をまとめる。海外の先進事例では、スイス、アメリカ、オーストラリアなどのDMOの機能や運営を調査している。

 
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