観光庁は、映画やドラマなどの海外映像作品を外国人旅行者の誘致拡大に生かすため、国内での撮影やロケハンを支援するモデル事業を実施する。作品を契機にロケ地などを巡る観光を「スクリーンツーリズム」と位置づけ、有識者を含めた作業部会を設置してモデル事業の効果を検証、スクリーンツーリズムの推進指針づくりにつなげる。今年度は6作品程度を支援する予定で、第1期の募集を23日に開始した。
モデル事業で支援対象となる作品の要件は、海外で上映、放映が予定されている作品で、撮影の受け入れ地域が行う観光プロモーションに協力が可能であることなど。ビジット・ジャパン事業の最重点市場の韓国、中国、台湾、香港の作品を優先的に検討する。
支援内容は、日本で撮影を行うために必要な情報提供のほか、撮影への支援費として1作品当たり500万円以内、ロケハンなどの支援費として100万円以内。日本までの旅費、日本国内で支払う宿泊費や交通費などを対象とする。
今年度は2期に分けて募集。第1期の募集締め切りは9月3日までで、撮影支援3件以内を採択する。第2期は募集期間が10月25日〜11月5日でロケハンなど3件程度を採択する予定。第三者委員会を設けて支援作品を決定する。
申し込みに関する問い合わせは、ユニジャパン(TEL03・3524・1081)まで。
作業部会を設置 推進指針策定へ
観光庁は、有識者でつくるスクリーンツーリズム促進プロジェクト作業部会(座長=山村高淑・北海道大学観光学高等研究センター准教授)を設置し、モデル事業などを推進している。海外の製作者に対する支援制度創設の可能性、ロケ支援態勢の充実などについて検討し、今年度中に指針をまとめる。
映像作品が訪日外国人旅行者の増加に結び付いた例では、道東が舞台となった中国映画「非誠勿擾」、秋田県の観光地が登場する韓国ドラマ「アイリス」などがある。海外製作者に対する情報提供や支援策を充実させ、インバウンドの拡大につなげたい考えだ。