観光庁の秡川直也長官が19日、就任後初めてとなる定例会見で抱負を語った。好調なインバウンドなどを背景に、コロナ禍の時期とは大きく局面が変わったとして、現場、民間を重視して山積する課題に対応していく考えを示した。
秡川長官は「観光庁で次長だった時はコロナ禍の後半戦で一番苦しい時期だった。お会いする業界の方たちからも苦しさが伝わってきたが、今は表情が全然違う。さまざまな課題はあるが、フェーズが変わり、アップトレンドのいいところでこのポジションをいただいた。観光は楽しい分野だ。全ては現場の皆さん、民間にある。今のいい状況を伸ばせるよう、観光庁としてしっかり取り組んでいきたい」と抱負を語った。
今年1月に発生した能登半島地震の観光への影響に関しては、「いまだに施設の根幹に手が付かず、基本的なインフラが整っていないなど、きびしい状態がまだ残っているところがある。北陸応援割には一定の効果があったと思うが、これからも状況に応じて必要なことに取り組みたい」と述べた。
秡川直也氏(はらいかわ・なおや) 1988年4月運輸省(現・国土交通省)入省。2020年7月自動車局長、22年6月観光庁次長、23年7月内閣官房内閣審議官(内閣官房副長官補付)・デジタル田園都市国家構想実現会議事務局次長、24年7月1日から現職。東大法卒。神奈川県出身。59歳。