観光庁が3月31日に発表した宿泊旅行統計調査の第2次速報値で、2020年1月の宿泊施設の延べ宿泊者数は、前年同月比9.6%増の4316万人泊となった。前年同月比は19年8月から5カ月連続でマイナスだったが、プラスに転じた。内訳では日本人の延べ宿泊者数が7カ月連続のマイナスからプラスに転じた。外国人延べ宿泊者数は中華圏の旅行シーズン、春節休暇が1月となり、2桁の伸び率を記録した。
日本人延べ宿泊者数は7.7%増の3345万人泊。外国人延べ宿泊者数は16.9%増の970万人泊で、延べ宿泊者数全体の22.5%を占めた。
延べ宿泊者数全体を地域別に見ると、30都府県が前年同月の実績を上回った。延べ宿泊者数の上位では、東京都が19.9%増の608万人泊、大阪府が1.4%増の354万人泊とプラスだが、北海道は4.0%減の301万人泊とマイナスだった。
外国人延べ宿泊者数に限ると、31都府県が前年同月の実績を上回った。都市、地方で比較すると、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)が28.5%増の592万人泊、地方部(三大都市圏以外)が2.4%増の378万人泊となった。
外国人の国・地域別の延べ宿泊者数は、最多の中国が41.8%増の309万人泊で全体の36.0%を占めた。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、中国政府は1月27日に海外団体旅行などを禁止したが、春節の時期の移動がプラス要因で1月の実績としては大幅増となった。
中国以外は、台湾が23.5%増の129万人泊、香港が42.4%増の71万人泊、政治情勢を受けて訪日旅行控えが続いている韓国は61.5%減の51万人泊、米国は32.5%増の47万人泊などだった。