観光業界、九州観光復興キャンペーン開始で決意表明


壇上で決意表明する観光業界の代表者(中央が田川JATA会長)

壇上で決意表明する観光業界の代表者(中央が田川JATA会長)

熊本地震の発生から14日で2カ月。熊本県では今なお6千人を超える人が避難所暮らしを続けている。観光面でも影響は残り、熊本や大分の観光地の宿泊客数は前年の6割にとどまっている模様だ。こうした事態を打開しようと、観光業界は「九州観光復興キャンペーン」に乗り出すことを決めた。9日には業界団体のトップらが集まり、決意表明した。

 同日、東京の品川プリンスホテルで開かれた日本観光振興協会の通常総会後の情報交換会で表明した。旅行・航空・鉄道会社、宿泊業、日本政府観光局(JNTO)など、九州観光復興支援に関わる各業界のトップらが壇上に上がり、業界の意気込みを示した。

 決意表明は、業界を代表して日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長が行った。

 田川氏はまず、「九州の宿泊需要は通常は50%が九州域内から、50%が域外からとなっている。今回は熊本など地元が被害を受けているので、約70%は域外からのお客さまに来ていただく必要がある」と指摘した。

 その上で「日観振、JATA、ANTA(全国旅行業協会)共同で『旅で応援、いこうよ九州』のロゴを作り、全国から九州へお客さまを送るべく、共同キャンペーンをスタートさせる」と強調した。

 その方向性として、(1)道路状況も含めた正確な情報を発信して、まず夏休みをきっかけに観光需要の早期回復を図り、秋の行楽シーズンにつなげていく(2)大分、長崎、宮崎、鹿児島、佐賀、福岡など他県は風評被害に悩まされている。夏休みの旅行を大いに宣伝する。修学旅行など団体についても、延期してでも実施してもらえるよう働きかけ続ける(3)インバウンドについては、海外での説明会の実施、旅行関係者の九州への招請、共同広告の実施など、業界とJNT0が連携し、正確な情報発信、効果的なプロモーションを展開する—を挙げた。

 田川氏はまた、国の180億円の支援に感謝の意を示すとともに「国内外から九州への観光需要喚起に最大限活用させていただき、観光による復興を成し遂げる」と力を込めた。

 田川氏以外の、決意表明に臨んだ代表者は次の通り。

 山口範雄・日観振会長、近藤幸二・ANTA副会長、松山良一・JNTO理事長、大西賢・日本航空会長、伊東信一郎・ANAホールディングス会長、石原進・JR九州相談役、針谷了・日本旅館協会会長、北原茂樹・全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長、志村康洋・日本ホテル協会副会長。

壇上で決意表明する観光業界の代表者(中央が田川JATA会長)

 
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