観光立国推進協議会(委員長・山口範雄日本観光振興協会会長)は1月17日、東京プリンスホテルで第5回会合を開き=写真、「観光先進国に向けた行動計画・2018(案)」などを審議、了承した。企業・団体が連携、協力して行うべき事業や方向性を示したもので、どう具体化していくのかが焦点になる。
冒頭あいさつした山口委員長は、業界の大きな変化として民泊新法や国際観光旅客税(仮称)の創設などを挙げ、「民間団体・企業としてこうした機運を捉えながら、さらなる日本の観光振興に向け努力を重ねていく」と述べた。
来賓の田村明比古観光庁長官は「新税(国際観光旅客税)を19年1月から導入する。確保した財源をフル活用し、全省庁の(観光関連)施策を総動員する」と強調。
新税については水嶋智次長が概要を説明した。それによると、19年1月7日からの徴収で18年度には総額60億円の歳入が見込まれ、CIQ体制整備に20億円、文化財や国立公園などに関する多言語開設の整備に10億5千万円、JNTOサイトなどを活用したデジタルマーケティングの実践に13億円―などに配分する。
新税に対する要望も相次ぎ、「カスタマーオリエンテッド(顧客第一主義)の視点が必要、政官民で共有した上で財源の活用を」(冨田哲郎・経団連観光委員長)、「2次交通の整備や空港などの保安体制の充実に生かしてほしい」(平子裕志・全日本空輸社長)、「観光案内の機能充実に使っていただきたい」(大山正雄・日本温泉協会会長)などの意見が出た。
行動計画は昨年とりまとめたものを改定した。(1)訪日外国人4千万人達成(2)国内観光振興(3)海外旅行振興―に向けた取り組みを示した。
(2)では、祝日3連休化(ハッピーマンデー)制度の維持、若者の旅行意欲を後押しするための割り引きプランやチケットの販売、企業や団体などの組織内に観光の担当窓口を設ける―ことなどを求めた。
また、留学生や外国籍者の雇用規制緩和、外国人観光客に対する観光による長期滞在(1年以上)ビザの新規創設、社員旅行に係る要件の運用見直し、初等教育からの観光教育導入、海外OTAとの格差是正を目的とした企画旅行の約款改定―など、規制緩和の実現に取り組むことを盛り込んでいる。