国土交通省は、来年度予算の概算要求について、各省庁の観光に関連する予算を集計して発表した。要求額の合計は、今年度当初予算比606億円増の2697億円。来年度の観光庁予算には77億円、今年度当初予算比21%増を要求しているが、政府全体の観光関連予算でとらえると、おおむね30%増の要求額となっている。
各省庁の関連予算を観光立国推進基本法の主要施策別にあてはめると、地域づくりなどを推進する「国際競争力の高い魅力ある観光地の形成」が330億円増の1642億円。外国人旅行者の誘致などに関連する「国際観光の振興」が283億円増の807億円。「観光旅行の促進のための環境の整備」は14億円増の247億円。「観光産業の国際競争力の強化および観光の振興に寄与する人材の育成」は2千万円増の1億6千万円となった。
観光関連の施策には、海外に日本の魅力を発信する事業も多い。経済産業省は、新規事業の地域ソフトパワー国際発信プロジェクトに3億2千万円を計上、地域が有する上質な和のコンテンツをネットワーク化して海外に発信する。このほかにも文化庁は日本文化について、農林水産省は日本食について情報発信事業費を継続事業で要求している。
人的な交流では、文部科学省が留学生交流の推進事業に226億円増の647億円を付けた。2020年をメドに留学生30万人を受け入れる目標の達成に向けて、環境を整備、交流を推進する。
このほかにも地域の活性化に関連する施策で、国交省の街並み環境整備事業約30億円、地域公共交通活性化・再生総合事業30億円など。中小企業支援の関連では、経産省の広域・総合観光集客サービス支援事業、中小企業地域資源活用プログラムなどがそれぞれ今年度予算から増額の要求となっている。