訪日外客数は、1〜11月の累計が949万9千人に達し、政府が目標に掲げてきた年間1千万人が確実となった。11月の訪日外客数は、日本政府観光局(JNTO)が推計値として12月11日に発表。11月は前年同月比29.5%増の84万人で過去最高を記録した。
発表を踏まえて観光庁の久保成人長官は、同日の会見で「現状のまま推移すれば、政府目標の1千万人の達成が可能である見込み」と述べた。これまでの年間最高値は2010年の861万1千人。
今年の訪日外客数の増加要因には、ビジット・ジャパン(VJ)事業のプロモーション効果、円高の是正、東南アジア諸国に対する査証(ビザ)の発給要件の緩和などが挙がる。韓国は原発汚染水の報道の影響などで、10、11月と前年同月を下回ったが、中国は秋以降、外交関係の冷え込みの影響などで落ち込んでいた団体旅行の回復が進んだ。
11月単月の訪日外客数では、中国、台湾、香港、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドが過去最高を記録した。台湾が前年同月比44.3%増の17万7900人となったほか、中国が同96.0%増の10万1900人、タイが同111.2%増の5万1200人となり、ともに前年同月の実績から倍増した。