Hotels.com、2016年度Hotel Price Indexを発表
エクスペディアグループで、世界最大級の宿泊予約サイトである「ホテルズドットコム」は7日、世界のホテルの平均宿泊料金に関する調査レポート「2016年度Hotel Price Index」を発表した。それによると、2016年に訪日外国人が日本で支払った1泊あたりの平均宿泊料金は前年比3%減の15,251円だった。一方、2016年に日本人旅行者が日本で支払った1泊あたりの平均宿泊料金は前年比7%増の14,514円となった。なお、同社発表による詳細は以下の通り。
Hotels.com™は、独自に世界の主要都市にあるホテル宿泊料金を定期的に調査する『Hotel Price Index™(ホテル宿泊料金指標、以下、HPI™)』の2016年度(2016年1月~12月)の調査結果を発表しました。2016年は、世界的に政治の変化や為替変動がありましたが、HPIが始まった2004年を100として、旅行者が世界のホテルで支払った平均宿泊料金は3年連続114ポイントとなり、2015年と横ばいで、大きな変化は見られませんでした。世界的金融危機の前年である 2007年度の HPI で記録した世界最高値 117 ポイントまで、わずかに及びませんでした。
◆円高傾向を活用し、お得に旅を楽しむ日本人海外旅行者
<日本人旅行者が海外の宿泊施設で支払った宿泊料金>
2016年に海外へ出国した日本人は、前年比5.6%(※1)増で、17,116,200人でした。円高の影響で日本人が海外旅行に行きやすい年となりました。1泊あたりの平均宿泊料金は、人気の海外旅行先トップ10のすべての国と地域において下がりました。特にアジアの台湾、タイ、香港、シンガポールでは、二桁の低下を記録し、前年よりもお得に宿泊して旅を楽しむことが可能となりました。
海外旅行者の旅行先トップ10(※2)と日本人旅行者が出費した海外のホテル平均宿泊料金及び、前年比変化率
(※1)「日本政府観光局(JNTO)」より http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170117_monthly.pdf
(※2)海外旅行者の旅行先トップ50(受入国統計)(2016年7月発表)https://www.jata-net.or.jp/data/stats/2016/06.html
(※3) ハワイ州、グアムを含む米国すべての州
アジア
これまで同様、アジアは日本人旅行者が支払った宿泊料金が最も低い地域です。2016年の平均宿泊料金が最も低い都市のうち、25都市中23都市がアジア地域にありました。タイのチェンマイは日本人旅行者が支払った宿泊料金が6,014円で最も低い人気都市でした。次いでフィリピンのアンへレス シティ(6,544円)とセブ(6,660円)が挙げられます。
北米
米ドルに対する安定した円高に伴い、米国の多くの都市において、日本人が支払った平均宿泊料金は低下しました。日本人に人気のあるホノルル33,216円で前年比2%低下したものの、日本人旅行者が支払った平均宿泊料金が最も高い都市となりました。また、ニューヨークも前年比11%マイナスの変化率が見られましたが、28,780円という非常に高い結果となっています。
ヨーロッパ
ヨーロッパでは、一部の都市を除き前年度並みまたは低下という結果になりました。パリは、テロ事件などの影響により、宿泊料金が16%低下したほか、ドイツのフランクフルトとベルギーのブリュッセルではヨーロッパで最も低下率が高く、それぞれ20%低下しました。2016年6月のEU 離脱投票で注目を集めたロンドンは、ポンドの下落が進み、平均宿泊料金は16%低下し、21,291円という結果になりました。2016年下半期に支払われた宿泊料金を見ると、低下率が20%に達していることが分かります。
Hotels.com 副社長 (アジア パシフィック担当)アビラム チャウドリー (Abhiram Chowdhry)は次のように述べています。「2016 年も、日本人旅行者にとってアジア全域は大変値ごろ感のある地域だったといえます。また大多数のアジアの人気都市の宿泊施設が宿泊料金を値下げしたのも大きな要因の一つでしょう。加えて、円高効果により日本人の旅行に対する概念が刷新され、リーズナブルに長期滞在を楽しんだり、より豪華なひとときのために宿泊施設をアップグレードしたりする人々が増える傾向にありました。ヨーロッパについては、同年、日本人旅行者にとって紛れもなく値ごろ感の高まった地域でした。最も人気がある各都市の宿泊施設で 3% ~ 20% も宿泊料金が低下し、お得に滞在できたことが理由であると考えられます」
◆日本国内の宿泊料金は上昇傾向、前年より地方都市への旅行者が増加
<国内の宿泊料金>
日本に対する訪日外国人の関心の高まりは、日本人による国内旅行マーケットにも相乗効果をもたらしました。平均宿泊料金を見てみると、人気上位 10 都市/地域のうち神戸では前年並み、その他4都市/地域では低下しましたが、5都市/地域ではそれぞれ宿泊料金が一桁上昇しています。日本人旅行者が支払った1泊の平均宿泊料金は、国内全体では前年比で7% 強上昇しています。
2016 年に日本人旅行者が日本国内の人気都市 / 地域で支払った 1 泊あたりの平均宿泊料金 (円) および前年比
国内マーケットで訪日外国人が支払った平均宿泊料金を比較すると、HPIのデータでは、国内旅行をする日本人と比べ外国人は概して高い料金を支払っています。この傾向は2016年も同様ですが、差額はわずか737円に迫っています。僅差の要因には、円高差益および外国人が選ぶ傾向にある施設の規模やロケーションが挙げられます。為替変動にともない、2016 年に訪日外国人が日本国内で支払った1泊の平均宿泊料金は、前年比3%減という結果になりました。
2016 年に訪日外国人が日本国内の人気都市 / 地域で支払った 1 泊あたりの平均宿泊料金 (円) および前年比
訪日外国人については、東京、箱根、富士山、京都、大阪など日本の主要観光都市を周るゴールデンルート以外の地方へ旅行をする傾向が高まり、東京や大阪の一部では、旅行者が支払った宿泊価格の減少が見られました。それ以外の都市の宿泊価格は上昇傾向が見られ、インバウンド旅行の恩恵を受けました。また、訪日外国人増加の理由の一つとして、LCCフライトの増便により、価格を重視し、今まで日本を訪れたことのなかった旅行者が増えたことが考えられます。このような旅行者は、主要都市を訪れたと推測できます。
特に福岡は日本人および、訪日外国人が支払った宿泊料金に大きな変化が見られ、それぞれ8%と10%上昇しました。福岡は地理的にアジアの国々に近く、アジアからの旅行者を惹きつけたと考えられます。例えば、韓国と福岡間で新たにLCC便が就航し2016年1月から11月の韓国人観光客数は前年同期比で12.6%(※5)増えました。また、2016年1月から11月の香港からの旅行者は前年比33.7%※5増加し、香港と福岡をつなぐフライトの増便が旅行者数増加に寄与したと言えます。
(※4)函館市、小樽市、登別市、千歳市を含む
(※5)国土交通省 九州運輸局 発表 http://wwwtb.mlit.go.jp/kyushu/press/pdf/press-20170206-kokusaikanko.pdf
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Hotel Price Index(HPI)について
Hotels.comの『Hotel Price Index(HPI)』は、世界の主要都市にあるホテルの宿泊料金を定期的に調査するレポートです。旅行者が実際に支払った宿泊料金(税金・サービス料を含む)の動向を追跡し、その変動の理由を知ることができる価値あるデータを提供しています。HPIは、同社の世界中のサイトを通じて、何十万以上のホテルに対して行われた実際の予約データに基づいて作成されています。