今年7~9月期の訪日外国人の旅行消費額は、前年同期比26・7%増の1兆2305億円となり、四半期として過去最高を記録した。観光庁が18日に発表した訪日外国人消費動向調査の速報値。1人当たりの旅行支出は、同6・6%増の16万5412円で、前年同期の実績に対して7四半期ぶりにプラスに転じた。
7~9月の訪日外国人旅行者数は、18・8%増の744万人。旅行者数が増えるとともに、韓国、中国などの1人当たりの旅行支出が増加したことで消費額が伸びた。
国・地域別の旅行消費額は、中国が23・5%増の5432億円で最多、全体の44・1%を占めた。次いで台湾が15・3%増の1490億円、韓国が49・9%増の1361億円、香港が34・7%増の941億円、米国が16・1%増の618億円、タイが28・4%増の222億円など。
費目別の旅行消費額は、買い物代が4204億円(構成比34・2%)、宿泊料金が3655億円(同29・7%)、飲食費が2591億円(同21・1%)、交通費が1379億円(同11・2%)、娯楽サービス費が412億円(同3・3%)。
1人当たりの旅行支出では、中国が4・6%増の23万8385円となった。内訳は買い物代が10万4970円、宿泊料金が5万8393円、飲食費が4万4561円など。買い物代は、訪日旅行の主要20市場の中でベトナムの11万9310円に次いで高かった。
韓国は10・0%増の7万4726円。平均宿泊数が前年同期の4・7泊から5・5泊に増えたことで消費が拡大した。
観光庁の調査では、中国や韓国の1人当たりの旅行支出を訪日回数で比べた場合、回数が多いほど消費額が高く、宿泊日数が多いことが分かっている。リピーターの獲得が消費を拡大する上で重要なことを示すデータとして、詳細な分析を進めている。
欧米豪で1人当たりの旅行支出が最も高いのは、フランスの23万5068円だった。このうち宿泊料金は9万6296円。欧州は平均宿泊数が20泊前後の国が多く、宿泊料金への支出が大きい。訪日旅行の主要20市場の中で宿泊料金が最高だったのは、平均宿泊数21・3泊のドイツで、旅行支出19万1985円のうち宿泊料金は10万5937円だった。
一方で訪日外国人旅行者のうち、業務旅行、親族・知人訪問などを除き、観光・レジャー目的の旅行に限って、1人1泊当たりの旅行支出を主要市場について見ると、中国が3万5074円(うち宿泊料金8083円)、香港が2万5155円(同7329円)、台湾が2万1933円(同6266円)、韓国が2万271円(同6277円)、米国が1万4682円(同5205円)となった。