誰もが楽しめる地域に 高知県、バリアフリーセミナー開催


 高知県は9日、バリアフリー観光の推進に向けたセミナー「バリアフリー観光推進セミナー~誰もが楽しめる高知県観光を目指して~」を高知市のオーテピアで開いた=写真。県内外の自治体、障害者や高齢者の旅行相談窓口を設ける事業者など約50人が参加。バリアフリー観光で選ばれ、障害者も高齢者も誰もが訪れる地域を目指す。

 同県では、約3年前から観光関係施設のバリア、バリアフリー情報の集約、専用ホームページの開設に取り組むなど、バリアフリー観光を推進。今年度は、高知駅前の高知観光情報発信館「とさてらす」と商店街の中に障害者、高齢者の旅行相談窓口を設置し、障害者だけでなく、足腰が不安なシニア層への対応にも取り組んでいる。

 セミナーは3部構成で実施。第1部では、WheeLogの織田友理子代表が「みんなでつくるバリアフリー」をテーマに基調講演を行い、誰もが施設やルートのバリア、バリアフリー情報を投稿できるWheeLogアプリの活用事例を紹介。「多くの健常者がバリア、バリアフリー情報の発信に協力できる」と説いた。

 第2部では、プランニングネットワークの渕山知弘マネージャー(ユニバーサルツーリズムアドバイザー)が「目からウロコのユニバーサルツーリズム」と題し、大手旅行会社でのユニバーサルツーリズム22年の経験から、バリアフリーお遍路ツアー参加者の声から生まれた「世界初! 視覚障がい者夢の自動車運転ツアー」の事例などを紹介。「できない理由を考えるより、どうやったらできるかを考えてほしい」と訴えた。

 第3部では、相談窓口を運営する福祉住む環境ネットワークこうちの笹岡和泉理事長を交え、「誰もが楽しめる高知県観光」をテーマにトークセッションを行った。笹岡理事長が県内施設の現状を報告するほか、渕山マネージャーが「相談窓口の設置はゴールではなく、スタート地点。ホームページに自然体験を推奨する高知県ならではのバリアフリーアクティビティを増やせば、他県との差別化につながる」と提言した。

 
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