国土交通省北海道運輸局と道南バス(室蘭市)は11月19日から、登別・洞爺地区の路線バスでスマートフォンを活用した中国の決済サービス「ウィーチャットペイ」の導入に向けた実証試験を始めた。
JR登別駅と登別温泉、JR洞爺駅と洞爺湖温泉を結ぶ2区間で来年2月末まで実施し、利用者の状況や運転手の負担軽減などを検証する。路線バスでのスマートフォン決済の導入は全国初の試み。
運賃は大人340円、小学生170円の定額制で、利用者はバス停や車内に掲示したチケット購入用QRコードをスマートフォンで読み込み、人数などの情報を打ち込んだ画面を降車時に提示し、運転手が確認して決済する。
北海道を訪れる中国人旅行者は昨年度67万人でインバウンド全体の約25%を占めている。その多くが自国内でQRコード決済を利用していることから、運輸局ではこうした決済手段への対応など地域の環境整備に力を入れており、9月から小樽市の観光施設や登別市とニセコ町の医療機関での実証試験も行っている。
道南バスは実証試験の状況について「中国人乗客の半数ほどが利用している。中国の方は紙幣で運賃を払うことが多く、降車時に両替作業で時間も掛かっていたが、大幅な改善につながっている」と話し、今後、本格的な導入を検討したいとしている。
バス車内でQRコードを利用する中国人旅行者