若手や中堅の旅館・ホテル経営者らが、経営を学び、他の参加者と親睦を深めることを目的とする近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟主催の学習交流会「平成旅館塾」が4、5の両日、東京都港区のホテルフロラシオン青山で開かれた。
同塾は昨年、東日本大震災の影響で休止し、今年6月に復活した。今回は宮城と茨城、山梨、静岡、岐阜、鹿児島、沖縄各県から9人が参加した。
今回のテーマは「社内指導力アップのコミュニケーション術」。参加者は、部下に対する指導の仕方について、指導の目的や手順、動機づけを、具体例を交えて学び、さらに上司役と部下役に分かれて実際に体験した。
その後、参加者は2グループに分かれて各旅館の従業員対策の現状を紹介。それを基に意見を積み上げて実際の日常業務に役立つノウハウを考え、翌日発表した。
緊張ぎみだった参加者も、泊まり込みでのグループ学習や懇親会を経て打ち解け、活発に意見交換を行うなど、実践的なノウハウを会得しようと意欲的に学んでいた。
意見を求められたアドバイザーの渡邉和裕・同塾委員長(風望天流山水荘社長)は、人材育成の重要性について、地元福島県内の状況を例に挙げて説明した。
この中で渡邉委員長は、原発事故で県外への避難者や除染要員が増加して満足な求人ができず、人材育成に影響が出ていると指摘。「(他地域でも)いつかは地震や放射能がくるかもしれない。会社全体のリスク管理が重要だ。幹部社員は何かあった時に適応できるようにしておくべき。そういう人を育てておかないといけない」と強調した。
あいさつで参加者を激励する渡邉委員長