近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(近旅連)は23、24の両日、「平成旅館塾」を東京都新宿区の日本青年館ホテルで開催した。会員旅館の次代を担う若手有志が交流、研さんすることを目的とした研究会。約30人が参加し、自館や地域の抱える課題などについて意見を交わした。
参加者は旅館のもてなしについての講義ビデオや鼎談を聴講したほか、5、6人ずつのグループに分かれ、もてなしや経営戦略、マーケティングをテーマに討議やプレゼンテーションを行った。
研究会には、経営課題やもてなしのあり方について議論し会員が連携を深める場として近旅連が02年まで開催していた「エンターテイメント研究会」のOBとして、渡邉和裕・ホテル山水荘代表取締役と京田親志・秀水園専務取締役が参加。自館の経営や地域の連携について経験談を語ったり、コーディネーターとしてパネルディスカッションに参加したりして、研究会参加者の議論をサポートした。
参加者によるパネルディスカッションでは、「地域内の仲が悪い」などの具体的な問題提起が旅館同士の関係から観光協会や旅館組合の位置づけや活動のあり方についての議論にまで広がる場面も見られた。
参加した会員からは「普段考えたことがなかった経営の問題や地域の課題について真剣に考えることができ刺激になった」「インバウンドに関して意見を交換したり学んだりする時間があればよかった」「さまざまな地域の若い世代と交流する良い機会となった」などの感想が聞かれた。
同塾の塾長を務めた二瓶長記氏(タップクリエート会長)は、「1回目の旅館塾としては成果があったのではないか。今回の参加者が2回目、3回目も参加し、より活発に意見交換をするだけでなく、参加者同士が刺激し合える強いつながりを作ってくれれば」と期待する。次回は12月に開講予定。