近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが経営統合へ


会見後握手する(左から)クラツーの岡本社長、近ツーの吉川社長、近鉄の戸川副社長

会見後握手する(左から)クラツーの岡本社長、近ツーの吉川社長、近鉄の戸川副社長

 近畿日本鉄道(近鉄、大阪市)と近畿日本ツーリスト(近ツー、東京都千代田区)、クラブツーリズム(クラツー、東京都新宿区)は10日、シェラトン都ホテル東京(東京都港区)で記者会見を開き、近ツーとクラツーを来年1月1日付けで経営統合し、近ツーを持ち株会社と事業会社に分割、持ち株会社「KNT—CTホールディングス」を設立すると発表した。新会社社長には近鉄の戸川和良副社長、会長には近ツーの吉川勝久社長が就任する。また、クラツーの岡本邦夫社長も代表取締役として新会社の経営に参画する。

 新会社は近鉄が60%近い株式を所有する連結子会社となる。経営統合に伴い、クラツーの普通株式1株に対し、近ツーの普通株式8500株を割り当てる株式交換を実施する。統合により、旅行取扱高は5千億円を超え、JTBに次いで業界2位となる。

 新会社の傘下に100%子会社として、団体旅行を所管する「KNT団体」、個人旅行の「KNT個人」、メディア型旅行事業を展開する「クラブツーリズム」を配置する。さらに、店舗運営の「KNTツーリスト」をKNT個人の子会社とし、残り30数社ある近ツーの子会社は新会社の傘下に置く。

 KNT団体の社長には、近ツーの小川亘常務が、KNT個人とクラブツーリズム社長には、岡本邦夫クラツー社長が就任する。

 統合を円滑に進めるため、戸川副社長を委員長とする「統合準備委員会」を設置する。

 統合による新たなビジネスモデル構築やコスト削減などに取り組み、5年後の統合効果見込み(営業利益への影響)として42億円を見込んでいる。

 吉川社長は統合の目的について、「近ツーの持つ営業力や国内外の拠点、クラツーの会員組織や企画力といった両社の強みを最大限活用することで生まれる統合シナジー(相乗効果)により、他社にないビジネスモデルを作る」と語った。

 近ツーは旅行市場の縮小を受けて店舗閉鎖や人員削減を進め、黒字転換を果たしたが、売上高は減収傾向にあるなど苦戦が続いている。クラツーは2004年、近ツーから事業譲渡を受けて新会社として設立。中高年層に強みを持つメディア型旅行事業会社として成長した。

 今回の経営統合について、近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟の西野目信雄会長は「元々は同じ会社。時代も変わってきて、近鉄として旅行事業を統合しようという流れであり、当然の動きだ。また、岡本さんがKNT個人の社長になられるので大いに期待している。近旅連とクラブツーリズムパートナーズ会との関係については、これから話し合いが始まると思う」とコメントした。

 また、クラブツーリズムパートナーズ会の鳥谷部徹雄会長は「いずれそうなる(経営統合)とは予想していた。会社やパートナーズ会はうまくいっているので今まで通りの体制でやってほしい。新会社には成績、結果を上げてもらうこと。会員にプラスになるようにしてもらいたい」と述べた。

会見後握手する(左から)クラツーの岡本社長、近ツーの吉川社長、近鉄の戸川副社長
会見後握手する(左から)クラツーの岡本社長、近ツーの吉川社長、近鉄の戸川副社長
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒