クラブツーリズムと近畿日本鉄道はこのほど、近鉄特急12200系をクラブツーリズムの専用列車に改造して12月23日から運行を始めると発表した。近鉄が進める観光事業強化策の一環として、同社グループのクラツー向けの電車を運行するもので、「特定の旅行会社の専用団体列車を年間を通して運行するのは国内初」と両社。クラツーでは、「仲間づくり」「学び」をテーマにした列車として活用し、沿線の誘客拡大を図る。
専用列車は「旅行がもっと好きになる電車」がコンセプト。クラツーのバスツアーの最上級ブランドで使用しているバス「ロイヤルクルーザー四季の華」のデザインを踏襲したグリーンの塗装をほどこし、落ち着きと上質感を演出。内装もカーペット敷きの床や穏やかな色の照明を採用したり、温水洗浄便座を備えたトイレやオーディオ設備などを設置したりして、快適性を高める。
また車内にはイベントスペースを設け、専用列車を移動教室や交流サロンの場「カルチャートレイン」としても利用。今までにない新しい旅の楽しみ方を提案する。
専用列車を使った旅行商品としては、クリスマスを「志摩スペイン村」で過ごす商品や、伊勢神宮への参拝を組み込んだ商品を造成。来年以降はワインやカラオケなどをテーマに異業種と連携した列車内交流会や、歴史や写真などをテーマに列車内勉強会などを組み込んだツアーなどを予定している。
2両編成を2編成、計4両を専用列車に改造する。運行区間は、近鉄大阪線、奈良線、京都線、橿原線、名古屋線、山田線、鳥羽線、志摩線。
列車の名称は2編成分2案を公募で決める。名称の考案者2人には商品券5万円分を贈るほか、専用列車デビュー企画にペア1組で招待する。
決まった名称は、12月半ばをめどにクラツーのホームページで、また、1月10日発行の「旅の友」2月号でも発表する。募集期間は11月10日まで。
専用列車の概観