鳥取県米子市の皆生温泉旅館組合(20会員)は旅館・ホテルから出る天ぷら油などの廃食油をバイオディーゼル燃料の生産に再利用してもらう活動に取り組む。バイオ燃料は宿泊施設の送迎用マイクロバスなどに使われ、「大幅なコストダウンとはいかないが、ガソリン急騰の中、安いバイオ燃料は旅館・ホテルにとってもプラスでは」と旅組関係者はいう。
廃食油を回収するのは地元の知的障害者厚生施設「もみの木園」と「吾亦紅」で、2年ほど前からバイオ燃料生産を手がけている。今回、旅組の協力を得て旅館・ホテル13軒を定期的に回り、バイオ燃料に適する廃食油を回収、施設内にある精製プラントでバイオ燃料を生産する。
値段は1リットル当たり110円程度となりそう。「マイクロバスに使う軽油は上昇傾向にあり、現在は157円になっている。送迎の距離も短く、使用頻度もそう高くはないが、この値段の差は心理的にも大きい」(旅組関係者)と指摘する。
16日にはバイオ燃料を積んだマイクロバスやトラックなど計7台による出発式が行われた。