長崎市はこのほど、2010年の観光統計を発表した。それによると、観光客数は前年比9.4%増の610万8300人となった。600万人超えは「長崎旅博覧会」が開かれた90年の628万人以来、20年ぶり。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」の効果が大きかった。長崎経済研究所はドラマによって約102万7千人の集客があり、その経済波及効果は191億円と試算している。また、「長崎ランタンフェスティバルも昨年より10万人増え、約90万人の集客があった」という。
旅行形態別に見ると、個人客は同8.1%増の526万人、団体客は同18%増の85万人。団体客は2ケタ増となったが、シェア別では個人客が8割強を占めている。
市内の宿泊施設は旅館・ホテルを含め約160軒。10年は256万人が泊まり、前年と比べ6.5%増えた。日帰りは同11.5%増の355万人だった。
主要観光施設は軒並み増え、グラバー園は同15%増の102万人、出島が同7.6%増の40万人、原爆資料館は同4.5%増の69万人となっている。
外国人観光客は延べ宿泊客数で前年並みの16万4千人。「うち7割弱がアジア人で、ほとんどが韓国、台湾、中国からの観光客だった」という。
観光消費額は同47.6%増の1109億円。初めて算出した経済波及効果は宿泊費や飲食代などの直接効果などを含め、1726億円に上った。
今年は東日本大震災の影響で観光客の減少も予想されるが、市では(1)「長崎まちなか龍馬館」の継続展示(2)展望台整備やロープウエーのゴンドラのリニューアルによる稲佐山の魅力向上(3)夜景観光バスツアーの推進──などで、観光客誘致に努めるとしている。