長崎県はこのほど、2015年(平成27年)の「観光統計」を発表した。それによると、同年に県を訪れた観光客は前年比2.7%増の3328万人で、統計を取り始めた1972年以降最多だった14年を上回った。「2年連続で過去最高を更新した」と観光振興課。
軍艦島(端島)などが構成資産となった「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録されたことや、長崎市の夜景など“夜型観光”の好調維持、外国人宿泊客数が過去最高を記録したことなどが要因として挙げられる。
内訳を見ると、日帰り客数は微増の2085万人となったが、宿泊客延べ滞在数は夜型観光に加え、地方創生交付金を活用した「ふるさと割」の効果などもあり、同6.3%増の1244万人と伸びた。
修学旅行宿泊者数は、学校や旅行会社などへの訪問に力を入れた結果、同4.7%増の45万2千人に。「2年ぶりに増加に転じ、過去10年間では2番目に高い水準まで回復した」という。
一方、外国人宿泊客は延べ宿泊者数が同43.5%増の74万5千人、宿泊客延べ滞在数も同41.7%増の129万3千人といずれも過去最高を記録。国・地域別に多い順を見ると、韓国、台湾、中国、米国となっており、94年の調査開始以来、初めて中国が米国を上回った。
観光消費額は同12.3%増の3817億円。1人1日あたりの平均消費額は日帰り客が同11.3%増の8228円、宿泊客は同4.6%増の2万2888円。