長野県上田市の鹿教湯温泉旅館組合は7月から、「信州お試し移住」と題して旅館の1室を長期にわたって提供する取り組みを始めた。移住を検討する人々に暮らしを体験してもらう。21泊で1室9万9800円(消費税込み、入湯税別)という料金を設定している。
信州お試し移住のために客室を提供するのは旅館13軒。家族での利用もできるが、1室当たりの宿泊人数の上限は部屋の定員まで。食事は付かない。21泊未満でも利用できる。相談は温泉旅館組合で受け付ける。
滞在中の地域住民との触れ合いも支援する。農業、アウトドア、伝統料理、アート・工芸などを体験できるように地元の活動グループなどを紹介。移住の具体化に向けては、就職や住居探しなどもサポートする。
旅館組合の斎藤宗治組合長(斎藤ホテル社長)は「鹿教湯は湯治場として栄えてきた温泉地で、長期滞在者を受け入れてきた歴史がある。本格的に移住を考える前にまずは気軽に旅館に滞在してもらう」と話す。
この取り組みは、地元の産官学が連携して策定した地域づくり構想「鹿教湯温泉100年ブランド創造プロジェクトマスタープラン」に基づく旅館業の活性化策の一環でもある。
信州お試し移住の参加旅館は次の通り。
いづみや旅館、鹿月荘、かつら旅館、渓流露天の宿河鹿荘、斉北荘、ニューかどや、つるや旅館、中村旅館、ふぢや旅館、ホテルかめや、大江戸温泉物語とうじの宿鹿教湯桜館、旅館玉屋、鹿鳴館。