帝国データバンクによると、ホテル経営の別所観光ホテル(長野県上田市、資本金800万円)は5月25日、事業を停止した。現在は、自己破産の申請準備に入っている。新型コロナウイルスの影響で業績が大幅に悪化し、先行きの見通しが立たず事業の継続を断念した。負債は約4億円。
同社は、1957年創業、73年5月に設立。別所温泉で「別所観光ホテル」の経営を手掛けていた。高台に位置し、温泉街を一望できる展望露天風呂などを擁して集客を図り、宿泊のほか宴会需要にも対応。2014年4月期には年収入高約2億4千万円を計上していた。
しかし、近年は集客の伸び悩みが続き業績が低迷。屋号を「かわせみの宿」に変更してリニューアルするなど立て直しを図ってきたが、19年2月期の年収入高は約1億9300万円にとどまり、収益も低調に推移していた。金融機関の債権が譲渡されるなど厳しさを増していたところ、今年に入り新型コロナウイルスの影響が追い打ちを掛けた。