関西イノベーションセンター(MUIC Kansai)が運営するユニバーサルツーリズムプロジェクト「Let’s EXPO」は9月26日、2025大阪・関西万博期間中に国内9パビリオンの様子をライブ配信で紹介するオンラインツアーの概要を発表した。
Let’s EXPOは高齢者や障がい者、それらの人たちを支える家族等、万博に行きたくても行けない人を対象に、会場などでの受け入れ態勢の整備やバーチャルによる企画の提供などを民間主導で進める取り組み。(1)アクセシブルサポート実施・運営(2)ボランティア募集管理(3)イベントの開催―について取り組んでいる。
今回発表したオンラインツアーは、(1)の取り組みである「会場内サポート」「バーチャル体験サポート」「オンラインツアー」のうちの一つ。行きたくても現地に行けない人に万博の雰囲気やパビリオンの魅力を体験してもらうのが目的。各パビリオンの魅力をリポーターがライブ配信で案内する。スマートテレビやスマートフォン向けに配信するので、ライブ配信中はチャット機能を使って、リポーターら出演者とやり取りができるのが特長。クイズなどの参加型コンテンツなども用意して、会場との一体感を感じられるようにする。
配信は来年4月13日の開幕から10月13日の閉幕までの期間、1週間に1~3回を予定。各回午後2時ごろから1時間程度で、生配信によるオープニングトークやパビリオンの説明、クイズなどと、収録映像によるパビリオン内のガイド付き見学で構成予定だ。
現在、大阪ヘルスケアパビリオンや関西パビリオン、住友館など、国内9パビリオンの配信が決まっている。加えて海外パビリオンにも協力を打診しており、シグネチャーパビリオンなどのツアー含め、案内先を会期中にも拡大したい考えだ。
想定視聴者数は、全国の高齢者や要介護者約1200万人の3%に当たる、介護施設の利用者など延べ34万人。在宅介護の人も自宅などから視聴できるが、家族などのサポートが必要になる。「家族に対する、オンラインツアーの周知と理解が今後の課題」と同プロジェクトに参画する栗原茂行・東京トラベルパートナーズ代表。
同プロジェクトでは現在、アクセシブルサポートに関するサポーターを、会場内サポート要員として1千人、バーチャル体験とオンラインツアーの体験・操作サポート要員として、各都道府県10人以上募集している。ボランティアには活動日の交通費と食費相当の支給を予定する。
介護施設などでボランティアと共にオンラインツアーを楽しむ(イメージ)