「今すべきこと」発信
県内関係者100人と情報共有
静岡県域のインバウンドを対象とした地域連携DMO「静岡ツーリズムビューロー」(TSJ)は4月28日、県内の観光関係者100人と情報を共有するオンラインセミナー「旅行停滞期におけるTSJの考え方と取り組み」を開催した。新型コロナウイルス感染症拡大で旅行業界が停滞する中、海外現地事情やツーリズムマーケティングの知識を元に「今すべきこと」を発信した。
TSJは、インバウンドを受け入れる「心の開国」「静岡ライフの力」を旗印とし、「総合力としての地域の実力向上」を目標に2017年から活動を開始。静岡県への訪日需要拡大や海外需要の県内ビジネス化などに取り組んでいる。
セミナーでは、これまでの成果について、(1)海外メディア露出50媒体(西洋市場47、アジア市場3)(2)国内メディア掲載77回(3)トレードマーケティング新規ツアー商品42コース開発(4)感動体験商品の掲載、公開86商品(5)16の自治体やDMO、団体と59の協働事業(6)人材育成の講座などに約2千人が参加(7)オーストラリア市場へのイベントツーリズムで19グループ900人以上が参加―の七つを紹介。TSJディレクターの府川尚弘氏は「19年度は静岡県の外国人延べ宿泊者数は234万人と全国10位だが、伸び率は全国3位の30.4%と伸び代は大きい」と可能性を示した。さらにインバウンドを拡大するためには「期待を地域の魅力で作る『感動体験』」「価値観の共有」が必要だと強調した。
20、21年は、重点市場をオーストラリア、開拓市場をカナダ、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、保持市場を中国、韓国、台湾に設定。今後は、東京五輪・パラリンピックのブランドを活用し、サイクルスポーツツーリズムを生かした海外宣伝、海外旅行会社連携による販売拡大、異業種連携による認知度向上などに取り組む。
TSJ戦略アドバイザーのトニー・エバレット氏は「コロナ回復後は皆さんが思うより早く人は動き出すはずだ。ブランドづくり、コンテンツのアップロードは進めてほしい」と話した。府川氏は「マーケティングの転換期。ソーシャルメディアの活用、JNTOとの連携は必須だ」と述べた。
セミナーの様子