飯島綜研、都内で旅館セミナー開催


一休の高野裕二副社長

一休の高野裕二副社長

 飯島綜研(飯島賢二会長)は15日、旅館マネジメント実践セミナー「本当にお客が増える 新時代の営業戦術」を都内で開いた。旅館ホテル経営者らが全国から参加した。一休の高野裕二副社長は「集客アップに直結するインターネット販売戦略」を、シールズマーケティングの井上博社長は「中国人訪日観光客誘致戦略」を、飯島綜研の孫田猛社長は「旅館の直セールスから管理まで」をテーマにそれぞれ講演した。

 高野氏はインターネット宿泊販売の現状について「直近5年間で宿泊施設のインターネット販売に対する技術が劇的に向上。施設間の差が付きにくくなってきている」と指摘。その上で、売り上げが伸びている施設の特徴として、(1)(担当者が)管理画面を操作している時間が長い(2)管理職者が宿のランキングを随時チェックしている(3)現場に権限委譲している──の3つを挙げた。

 管理画面を操作する時間に比例して売り上げは確実に向上するという。また各宿泊サイトで表示される人気ランキング、売り上げランキングなどを管理職者がチェックすることで、担当者に対して「私はあなたの仕事を見ていますよ」というメッセージが伝わり、モチベーションアップにつながるという。さらに「インターネット販売は2週間前から1週間前、もっと言えば瞬間、瞬間が勝負。現場の判断で適切な宿泊プランを適宜投入できるかどうかが売り上げを左右する」と強調。現場にある程度の権限を持たせた方がよいと話した。

 JTB出身の井上氏は、中国、香港、台湾の有力旅行社をセールスで歴訪した経験から「中国人インバウンド誘致は、中国という枠にとらわれず、中華圏として考えた方がよい」と説明。現地旅行社への情報発信について「現地旅行社の担当者は、元日本語ガイドなどが多く、日本語が堪能。日本の宿の情報は絶対的に不足しているので、持って行くと喜ばれる」と解説し、自館を直接売り込みに行くことをすすめた。また「北京、上海、広州の中で、現状は広州からの訪日客が最大だが、今後の潜在力は上海が最大」と述べた。

 孫田社長は「料金別損益一覧表」「月別料金別集客目標一覧表」「顧客カード事例」「接客日報事例」「商品開発マトリックスチャート事例」「強み、弱み分析一覧表」「業務改善フローチャート」などの現物を示しながら、旅館が直セールスを進める上での、集客・管理手法を伝授した。

 次回のセミナーは、ホテルパシフィック東京の玉井和博社長を講師に招き、10月15日に行う。テーマは「手つかずだった仕入・在庫管理と料理商品開発(コストダウンに直結する仕入・在庫管理の実践と、調理師任せにしない料理商品開発のプロセス)」。

一休の高野裕二副社長
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