帝国データバンクによると、旅館経営、ブライダルサービスのラヴィールコート(香川県観音寺市)はこのほど、高松地裁観音寺支部から破産手続き開始決定を受けた。新型コロナウイルス関連倒産は香川県で4件目、四国地区では7件目。負債は現在確認中。
同社は、2017年12月に設立された旅館の運営業者。終戦後まもなく創業、1969年5月に法人改組された琴彈莊が運営していた旅館「琴弾莊」の運営を継承し、「ラヴィールコートKOTOHIKI」として宴会や宿泊、ブライダルサービスを行っていた。
建物自体が名勝「琴弾公園」内に位置し、日本の夕陽百選となった有明浜に面した宿泊施設として知名度が高く、観光客や地元の法人、個人の宴会場として利用されていた。
しかし、観光客の減少や競争激化によるブライダルサービス部門の低迷などから旅館設備の老朽化への対応が遅れていたが、近時も集客力の改善は進んでいなかった。
低調な収益性による余裕を欠いた資金繰りが続く中、今年3月以降は新型コロナウイルス感染症の影響が拡大し、近隣施設の休業や自粛ムードが高まるなど、利用客がさらに減少した。先行きが立たなくなり、事業の継続を断念した。