全国修学旅行研究協会(全修協)はこのほど、「平成29年度全国公私立高等学校海外修学旅行・海外研修実施状況調査報告」を発表した。同年度に海外修学旅行を行った高校は895校で、前年度比53校増加。旅行件数、参加生徒数も前年度を上回った。実施率は公立が10.8%、私立が37.7%で、前年度比0.4ポイント、2.8ポイントそれぞれ上昇した。
海外修学旅行を実施した校数は公立が390校、私立が505校。それぞれ前年度を15校、38校上回った。
旅行件数は公立419件(前年度比13件増)、私立789件(同88件増)の合計1208件(同101件増)。参加生徒数は公立6万7576人(同4511人増)、私立8万8837人(同5958人増)の合計15万6413人(同1万469人増)だった。
海外修学旅行の実施率は公立が4年連続、私立が2年連続で上昇した。平成16年度以降のデータを見ると、公立は19年度の11.6%、私立は20年度の38.8%がピーク。以降、いったん低下したが、近年は上昇傾向にある。
旅行先を参加人数ベースで見ると、台湾が5万3940人と最も多く、前年度をおよそ1万2千人上回った。特に公立高校で、海外修学旅行を実施した学校の約半数が旅行先に選んでいる。
以下、東南アジア(5万418人)、北アメリカ(3万4308人)、オセアニア(2万5046人)、ヨーロッパ(5886人)、中国(3327人)、韓国(1394人)の順。このうち前年度を上回ったのは東南アジアとオセアニアの2地域。
東南アジアのうち、シンガポールは参加人数が6135人増と大きく増え、2万5千人を超えた。一方、上位として安定していたグアムは北朝鮮のミサイル発射計画公表の影響を受け、激減した。