近畿日本ツーリスト(KNT)首都圏と実践女子大学は、高齢者、障害者も楽しめる「ユニバーサルツーリズム」を題材とした授業を今年度も実施している。産学連携で行う授業は、2018年度から実施。高齢や障害の有無に関わらず、誰もが気兼ねなく参加できる旅行の実現を目指している。
産学連携での授業は「オープン講座a」として、ユニバーサルツーリズムのほか、ビジネスツーリズム、オリンピックなどを題材に19年度は前期15回で開催。実践女子大学の渋谷キャンパス文学部の学生など71人が受講している。
6月28日には実践女子大学の渋谷キャンパスで公開授業を実施。「高齢者・障害者も楽しめる渋谷!観光モデルコース」の課題に対し、学生は5、6人が1チームで渋谷区内の観光スポットを巡るツアーの企画、発表を行った。学生からは「花とグルメと美術」「オリンピックの開催施設」「明治神宮の歴史」「車いす利用者も楽しめる渋谷・原宿」などをテーマにし、高齢者、障害者でも楽しめる「バリアフリー」「多目的トイレ」「車いすや杖の使いやすさ」などを配慮したツアーを発表した。ツアーはKNT首都圏担当者が評価し、最優秀賞には「せまる!東京2020!今しか体感できない!渋谷の今と昔を知る観光ツアー」を選んだ。
授業に参加したKNT―CTホールディングスの渕山知弘課長は「坂の多い渋谷はバスで移動すると参加者に優しくなる」、KNT首都圏の橘清志千葉支店副支店長は「企画を考える際、視察できない場所もある。電話するなど、企画に適しているかを取材しながら判断してほしい」とアドバイスした。
授業を担当する深澤晶久教授は「このたびは東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルスポンサーであるKNTに協力を依頼した。大学がある渋谷区は来年開催される東京パラリンピックに力を入れている。学生には現状を知ってもらうとともに、来年はボランティアに参加するなど、社会で貢献できる人材に育ってほしい」と総括した。
学生が渋谷観光ツアーを発表