ブランド総合研究所はこのほど、「地域ブランド調査2011」を発表した。それによると、魅力度ランキングでは市区町村は札幌市、都道府県は北海道がトップになった。東日本大震災の影響については「被災県の魅力度はあまり低下していない。ただ、原発立地地域も含め、観光意欲はやや低下している」としている。
調査は全国の20〜60代を対象に、7月1〜14日の期間、インターネットで実施。全国の1千市区町村と47都道府県について、観光地や居住地としての魅力など67項目を聞いた。3万537人から回答を得た。
札幌市のトップは2年連続、北海道は3年連続で、北海道の人気は依然として高いことが分かった。都道府県別にベストテンを見ると、前回(10年)10位だった長野県が8位、12位だった福岡県が10位に浮上。長野はテレビドラマや映画の舞台となったことで、注目が集まった。
震災被災地の岩手県、宮城県、福島県はそれぞれ25位(前回27位)、15位(同13位)、35位(同33位)だった。岩手のランクアップは、「世界文化遺産となった平泉のイメージアップの影響がある」と同研究所。特に、観光意欲度は157位から66位に大幅に上昇している。
宮城は、観光意欲度では17位から29位に低下しているが、魅力度は13位から15位と小幅な下げ。福島は、観光意欲度は40位から44位、魅力度は33位から35位と順位を下げている。ただ、「2県の結果を点数で見ると、観光意欲度は6〜7点ほど下げているものの、魅力度は1点未満の下げと、ほぼ横ばいだった」という。
原発が立地する市区町村のイメージ変化を、柏崎市(新潟)、御前崎市(静岡)、敦賀市(福井)について調べた。その結果、情報接触度(旅やグルメに関する番組など)は上昇しているものの、観光意欲度、居住意欲度については敦賀の居住意欲度が上昇した以外はいずれも順位を落としている。魅力度にあまり大きな変化はないが、消費者行動につながるこれら指標の低下は顕著だ。
同研究所は「これらの結果をすべて原発の影響と断定はできないが、少なからず影響を及ぼしている可能性がある」としている。
一方、魅力度が増しているのが九州だ。九州新幹線の全線開通により魅力度が確実にアップ。発着地である鹿児島県は前年19位から17位、熊本県も21位から19位にそれぞれランクアップした。