京都府南丹広域振興局は11月18日から12月2日まで美山鹿肉キャンペーンを実施する。美山町周辺では、野生のニホンジカによる農林被害が増加傾向にあり、個体調整のために毎年4千頭の駆除を行う。鹿肉を美山の特産品にすることで、処理費用の軽減や美山の観光振興につなげ、人とシカとの共生を目指す。
鹿肉は、食材としては脂肪が少なくヘルシーで、ヨーロッパでは高級食材として使われている。京都府では、駆除したシカの処理費用が負担になっていたが、昨年、鹿肉の処理と冷凍を行う施設を建設したことで、鹿肉の供給が可能となった。
キャンペーンに先駆けて、21日に京都市中京区の調理師専門学校「ラ・キャリエール」で、報道関係者などを招いて試食会=写真=が行われた。山田啓二・京都府知事も参加し、シェフインストラクターの笹井昭彦氏から鹿肉や料理について説明を受けた。
キャンペーン期間中、美山町の宿泊施設やレストラン13店舗などでは期間限定の鹿肉料理を販売する。また、地元旅行会社が、鹿肉料理を食べる一泊ツアーや日帰りツアーも企画した。
同振興局では、今後、毎年同じ時期にキャンペーンを実施する予定で、東名阪をターゲットにした旅行商品化も目指している。
問い合わせは、同局農林商工部商工観光室(TEL0771・23・4438)。