観光庁は9日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備に関して、IR誘致を目指す自治体が国に提出する区域整備計画の申請期間を2021年10月1日から22年4月28日までとする修正案を示した。受付期間は当初は21年1月4日~7月30日の方針だったが、新型コロナウイルスの感染拡大などを受けて延期する。同時に、IR整備法に基づく基本方針の修正案も示した。
申請期間を定める政令案については、19年11~12月に意見募集(パブリックコメント)が実施されたが、修正案の意見募集が9日に再度始められた。意見募集の期間は11月7日まで。政令の公布日、施行日は未定。
19年に公表されたIR整備法の基本方針案も、カジノ管理委員会の意見などを踏まえて修正した。修正案の意見募集の期間は9日~11月7日。修正箇所は、新型コロナなどの感染症対策の関連ほか、事業者選定に絡む公正性、透明性の確保などで、IRを巡る汚職事件を受けて規定を強化した形だ。
基本方針の修正案では、事業者選定に絡む収賄などの不正行為の防止に向け、国や都道府県などがIR事業者などと接触する際の規定を明確化した。都道府県などが策定している接触ルールに反映させる。具体的には、面談は原則として庁舎内で複数の職員で対応し、面談記録を作成して一定期間保存することなどが挙げられている。
新型コロナの流行を踏まえた修正箇所は、区域整備計画の認定に関する評価基準の中に、感染症対策などの健康、衛生の確保に適切に取り組み、対策内容や実施体制を定めた計画が策定されていることを盛り込んだ。
今後、国は自治体が提出する区域整備計画を審査し、最大3カ所のIR区域を認定するが、2020年代半ば以降と見込まれているIR施設の開業時期にも、新型コロナの流行、申請期間の延期などが影響しそうだ。