JALは13日、車いす電動アシストユニット活用サービスの実証実験を開始したと発表した。
日本航空株式会社(所在地:東京都品川区、代表取締役社長:赤坂 祐二、以下「JAL」)、NRIデジタル株式会社(所在地:横浜市西区、代表取締役社長:雨宮 正和、以下「NRIデジタル)、ペルモビール株式会社(所在地:東京都江東区、グループCEO:Bengt Thorsson、以下「ペルモビール」)ならびに、株式会社unerry(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:内山 英俊、以下「unerry」)の4社は、空港をご利用いただくすべてのお客さまに快適な移動と新たなお客さま体験をご提供することを目的に、着脱式車いす電動アシストユニット「SmartDrive」とデジタル技術を活用した実証実験を開始しました。
今回の実証実験においては、ペルモビールの開発した「SmartDrive」を搭載した木製車いす(*1)を使用します。また、車いすには空港内に設置した検証用ビーコンを受信・発信するための機器を搭載し、車いすの位置検知や動線などを可視化・分析することが可能です。これらの技術を活用することで、今後のサービス向上や新たなお客さま体験の提供を目指すとともに、お客さまの安全な空港内移動の提供、およびスタッフの負担軽減効果などを検証します。
(*1) 木製車いすについては、以下JAL Webサイトをご参照ください。
URL: https://www.jal.co.jp/jalpri/aircraft/equipment.html?no=Tab1#airportwheelchair
なお、本件はJAL Innovation Lab (*2)によるプロジェクトです。
(*2) 2018年5月29日付プレスリリース 第18024号「オープンイノベーションの拠点としてJAL Innovation Labを開設」参照 URL:http://press.jal.co.jp/ja/release/201805/004736.html
■概要
1. 場所・期間・対象者
実施場所:新千歳空港国内線 出発・到着エリア
実施期間:2020年12月28日(月)~2021年1月31日(日)(予定)
対象旅客:車いすをご利用、かつ実証実験の内容にご理解・ご承諾をいただいたお客さま
2. 検証内容
① 「SmartDrive」を装着した木製車いす(検証用車いす)によるご案内
対象のお客さまをスペシャルアシスタンスカウンター、または出発カウンターから搭乗口、もしくは、搭乗口から到着ロビーまで、スタッフが検証用車いすにてご案内します。「SmartDrive」のアシストにより、搭乗ゲートなど勾配のある通路をよりスムーズにご案内することができます。また、着脱が可能なので、木製車いすの利点を活かし、保安検査場の金属探知機をそのまま通過していただくことが可能です。これらにより、より快適な移動体験の提供に向けた検証を行います。
② スタッフ向けお客さま近接通知の連絡
unerry提供の「Beacon Bank SDK」を組み込んだNRIデジタル開発のアプリは、検証用車いすが搭乗口などの保安検査エリア内の特定エリアに近づくとビーコンに反応し、スタッフに通知をします。スタッフが車いすの位置を事前に把握することで、スムーズに機内へご案内できるかなど、サービス向上に向けた検証を実施します。
③ デジタルサイネージへのパーソナライズメッセージ表示
搭乗口付近に設置されたサイネージモニター(iPad)がNRIデジタルが開発したアプリから発信されるビーコンを検知すると、モニター上にお客さまへのメッセージが表示されます。ご利用のお客さまに合わせたご案内によるおもてなしを検証します。
■車いす電動アシストユニット「SmartDrive」について
ペルモビールが開発した「SmartDrive」は、手動の車いすに簡単に取り付けられる着脱式の電動アシストユニットです。車いすのプッシュハンドルにボタンを設置することで、介助用ユニットとして利用することができます。また、「SmartDrive」によるアシストにより、手動では登ることができないような勾配のある坂道を、介助者なしで移動することができます。
※介助者なしでの移動については、今回の検証対象外となります。