KNT―CTホールディングス(HD)は9日、2019年度3月期第1四半期(18年4月1日~6月30日)の連結決算を発表した。売上高は、前年比0.3%増の1021億3900万円、営業利益は同93.1%減の6千万円、経常利益は同82.2%減の1億6300万円、当期純利益は同183.9%増の10億3700万円だった。営業利益、経常利益の減少は、桜の早期開花や大阪北部地震の発生、国内旅行の不振などによる利益率の低下が大きく影響した。一方、純利益は、連結子会社間の合併に伴う税負担の軽減効果により大きく増加した。
国内旅行では、個人旅行は近畿日本ツーリスト、クラブツーリズムの両ブランドでVR(仮想現実)体験などテーマ性の高い旅行商品の販売に注力。団体旅行は法人、団体などへの提案型営業を推進しMICE市場など積極的な開拓や企業・法人団体向け研修プログラムを開発するなど新たな需要開拓に取り組んだ。
海外旅行では、個人旅行はタレントのデヴィ夫人がプロデュースしたインドネシアツアーなど、独創的で付加価値が高い商品の販売を展開。団体旅行ではサッカーワールドカップロシア大会への法人ツアーや団体応援ツアーの企画、受注を行い、訪日旅行では海外OTAとの業務提携による個人旅行の拡大やラグビーワールドカップ2019など訪日イベント、国際会議などに関わる需要を獲得した。
同社は、昨年4月に事業構造改革により組織再編を実施。昨年6月にはKNT―CTグローバルトラベル、昨年11月には近畿日本ツーリスト首都圏、近畿日本ツーリスト関東、KNT―CTウェブトラベル、今年4月には近畿日本ツーリストコーポレートビジネスを設立し、分社化を進めてさらなる地域連携の構築などに取り組んでいる。
また、今期から、決算短信の報告セグメントを変更。これまでは「個人旅行事業」「団体旅行事業」「その他」に分けて発表してきたが、今回からは「旅行業」の単一セグメントに変更した。事業構造改革に伴い、従来の個人旅行と団体旅行の旅行別形態から、地域旅行会社と訪日旅行会社など専門会社を基軸とした会社群組織に組織再編したため。再編により個人旅行、団体旅行の区別なく、全ての旅行関連需要の獲得を目指す体制となったことから、今後の事業展開や経営管理体制、IT投資計画の実施などの観点からも、グループの事業を一体として捉えることが合理的だと判断した。
19年3月期の連結業績予想は変更がなく、売上高は同2.9%増の4170億円、営業利益は同15.0%減の27億円、経常利益は同13.2%減の29億円、当期純利益は同55.7%増の22億円を見込む。