観光経済新聞社は21日、主催する第24回「にっぽんの温泉100選」(観光関連9団体後援、トラベルジャーナル社協賛)の中間集計をまとめ、発表した。それによると、昨年まで、7年連続1位の草津(群馬県)を抑え、登別(北海道)が中間段階で1位の座を確保した。以下、草津、由布院(大分県)、黒川(熊本県)、指宿(鹿児島県)と続く。登別がこのまま逃げ切るか、草津が王座の貫禄を見せつけ巻き返すかどうか、今後の投票の行方が注目される。投票は10月末に締め切られ、最終順位は12月初旬に開かれる予定の100選実行委員会の審査で決まる。
大手、中堅旅行会社やネットエージェントなどからの投票は7月にスタートしている。中間発表は、事務局(本社)に届いた約1万50枚の投票はがきを集計した。
旅行会社の支持を集め1位となった登別。このまま票を集め、最終集計で1位となれば、第16回(02年度)以来となる。
登別市の調べによると、09年度の観光客入込数は約302万4千人、延べ宿泊者は約116万8千人。多彩な泉質が魅力で、いろいろな効能を持つ温泉に入れるのが特徴。また、周辺には北海道遺産である温泉源の地獄谷、登別伊達時代村、クマ牧場、登別マリンパークニクスと見どころも多く、家族客を送客しやすい点も評価されたと見られる。
ただ、2位の草津との差は100票程度にすぎず、予断を許さない。
上位10位を見ると、大きな変動はなく、前回7位だった指宿が5位にランクアップしたのが目立つ。和倉(石川県)、城崎(兵庫県)の10位争いも目を離せない状況だ。
中間段階で新たに100選にランクインしたのは12温泉。このうち、武雄(佐賀県)は圏外からいきなり55位に食い込んだ。63位の菊池(熊本県)は菊池市の中心部、隈府一帯にある温泉地で、約40の宿泊施設がある。泉質は弱アルカリ性で肌に優しいため、「化粧の湯」とも呼ばれ、「周湯券」という湯巡り手形も発行している。
一方、前回61位の奥鬼怒(栃木県)、66位のあしずり(高知県)、69位の妙見(鹿児島県)など12温泉がランク外に。
実行委員会は日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本温泉協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光協会、日本政府観光局、財団法人日本交通公社から選ばれたメンバーで構成。
最終結果は12月18日付紙面に掲載する。