塩素(次亜塩素酸ナトリウム)に代わる消毒剤として、電解次亜塩素酸水の温浴施設への実用化を目指す「クリーン温泉推進会議」が22日に立ち上がった。レジオネラの研究を続けてきた麻布大学教授の古畑勝則氏が座長に就いた。
古畑氏は、石和温泉で3月に実施した測定をもとに、9月に開催された日本温泉科学会で「浴槽水の消毒に電解次亜塩素酸を利用することは問題ないこと」「肌へのトラブルは発生しないこと」などを発表した。
同会議は、この発表を受けて、温泉の保守や入浴環境の向上を通じて日本の観光立国に貢献することを目的として設置された。古畑氏のほか会議メンバーは、日本ヘルシーシステム協会理事長の仁多見武氏、アクアス技術顧問の縣邦雄氏ら。
東京の参議院議員会館会議室で開催された発足式には、参議院議員の山東昭子氏も来賓として出席し、「安心できる清潔な温泉を広めてほしい」と同会議の活動に期待した。熱海市議会議員の髙橋幸雄氏も出席し、祝辞を述べた。
座長の古畑氏は、「温泉の安全性をいかに科学的に裏付けできるのか、というところが私たちの使命だ。温泉がクリーンになって、大勢の人に安全に入ってもらいたい。もう二度とレジオネラ症の集団感染は起こってほしくない」と同会議設立の意義を語った。
「クリーン温泉推進会議」座長の古畑氏(右)とメンバーの仁多見氏(左)、縣氏(中)