日本旅行業協会(JATA)は2月26日、「JATA経営フォーラム2018」を東京都内で開いた。会員旅行会社からマネジメント層を中心に318人が参加。基調講演では早稲田大学スポーツ科学学術院教授、日本スポーツツーリズム推進機構会長の原田宗彦氏が「スポーツツーリズム」の推進を旅行業界に提案した=写真。
メインテーマは「旅行業の『新しいカタチ』の追求! ―旅行業の役割とは―」。冒頭のあいさつで田川博己会長は「ビジネスを見つめ直すうえで参考になるようなプログラムで構成した。人工知能(AI)の利用による生産性の向上が叫ばれ、経営環境そのものが目まぐるしく変わる中で、改めて旅行業の在り方、役割を考え、変革していく時期だ」と強調した。
原田氏は「スポーツを通じたビジネスの価値創造│旅行業界のブルーオーシャン戦略」と題して講演。スポーツツーリズムは「隠れた資源であるスポーツを旅行商品化し、『するスポーツ』『見るスポーツ』という新しい旅の目的と需要を創出すること」と説明し、「まったく気づかない場所がものすごいスポーツツーリズムの資源になる。気づき、発想にどう価値を埋め込んでいくかが今後の課題だ」と語った。
さらに、「従来の旅行業は、旅行需要を受けて、あるいは誰かから注文が入って旅行商品をつくる。そういう業界はレッドオーシャン(血の海)化している。競合が半端ではない」と話し、対して「これからは新しい価値を創造する。競争のない市場空間(ブルーオーシャン)、地域やあらゆる産業を巻き込んだバリューイノベーションが求められている」と指摘した。
このほか、「若者の心をつかむ旅行商品」「若手・女性社員の活躍に向けた方法」「地方創生に寄与するインバウンドビジネス」「情報セキュリティ」の4テーマでの分科会や、ヤッホーブルーイング社長の井手直行氏による特別講演も行われた。