全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)女性経営者の会(JKK、田中美岐会長=京都府・日昇別荘)は10月9、10日、群馬県の伊香保温泉と草津温泉で定例会議を開いた。人材教育などをテーマにホテル松本楼(伊香保温泉)の松本光男社長らの講演を聴講。「人手不足を人財育成で乗り越えた」同館の事例を学んだ。
ホテル松本楼は今年2月に行われた全旅連青年部主催「第4回旅館甲子園」で最終審査に残る4軒のファイナリストの一つになった。若い人材の定着に向け、新入社員に先輩社員が1年間付き添い、仕事以外の悩み事まで聞き、安心して働ける職場環境を作る「エルダー制度」や、各種研修制度を導入し、社会人としての基礎作り、従業員が主役となる宿作りを推進している現状をプレゼンテーションした。
松本氏は人材の定着に向けたこれら取り組みや、「会社が一つにまとまった」など、旅館甲子園出場による成果を述べた。
コンサルタント(オリジン・コーポレーション代表)の杉井保之氏は、「会社を良くする秘訣~採用と教育」と題し、「勝つパターンを作るのが経営者の仕事である」「管理者は今を回すことだけではなく、社員の夢を一緒にかなえられる人になるべき」などと説いた。「チャットボットの利用」「パートタイマーの有給消化」の各講演も専門家が行った。
草津温泉では、草津町の黒岩信忠町長が「草津町街づくり事業」をテーマに、町の財政を再建した具体的手法を解説。会場となった「草津ナウリゾートホテル」と姉妹館「湯畑草菴」「源泉一乃湯」を同館の小林恵生社長の案内で視察した。
「ホテル松本楼」松本社長の講演